検査科クラークになるには

20170130_examination_01

検査科クラーク業務

今回は検査科のクラーク業務についてご説明します。
まずは『クラークとは何ぞや?』というところから。

クラーク【clerk】
事務員。職員。吏員。また、販売員。
……浅すぎますね。少し言葉を変えてみます。

びょうとう‐クラーク【病棟クラーク】
⇒医師事務作業補助者
いしじむさぎょう‐ほじょしゃ【医師事務作業補助者】
診断書の作成など医師が行う事務作業を補助・代行する医療従事者。
医師の指示により診断書・処方箋・紹介状の作成補助、電子カルテの入力代行、診察・検査・手術の予約などを行う。
病院勤務医の負担軽減策の一つとして、2008年の診療報酬改定に伴い導入された。
医療クラーク、病棟クラーク、ドクターズクラーク、メディカルアシスタントなど様々な呼称がある。
→医療事務 →医療秘書

少し近づいて来たような気がします。

いりょう‐ひしょ【医療秘書】
医療機関において上司・所属部署などの業務を補佐する医療従事者。
スケジュール管理や書類作成などの一般的な秘書業務の他に、医療事務やコメディカル間の連絡調整など幅広い業務を担当する。
メディカルセクレタリー。

以上、『デジタル大辞泉』より引用。

この中では最後の”医療秘書”≒メディカルセクレタリーが一番わかりやすいでしょうか?
でもコレではまだ抽象的過ぎますね。
もう少し踏み込んで具体的な事例、つまり私が毎日こなしている作業をあげてみましょう。

1.検体検査結果の電子カルテへの取り込み
外来の患者さんや病棟の入院患者さんから採血や採尿された検査検体は、検査科の臨床検査技師さんや外部の検査機関で様々な検査が行われます。
その結果がそのまま電子カルテに反映されるものと、されないものがあり、ここで取り込むのは書面で報告される結果です。
電子カルテを開く→患者さんのカルテNo.入力→検査結果のスキャナ読み込み→登録。
これを一件ずつ結果の数だけ繰り返していきます。
流れは単純で地味ですが、大切な作業です。

2.検査試薬や採血管など備品発注・在庫管理
検査をするためには検体はもちろんですが、その反応などを確認するために試薬や採血・採尿のための採血管やスピッツが必要です。
これらは使えば無くなる消耗品ですから、必要な時に数が足りないことのないように在庫数の管理及び定期的な発注が必要です。
更に、ほとんどの試薬やスピッツには”使用期限”がありますので、必要頻度の多い少ないも確認する必要があります。
外来や病棟の採血管なども検査科からの払出となます。
在庫が少なくなっていたり、最後の一つだったりした場合は、早急な発注が必要となり「ヒヤッ」となる事があるため、持ち帰りの際のお声掛けも各部署へさせてもらっています。(そうならないように十分に気をつけているつもりです)

3.心電図・超音波診断検査などの生理検査の結果保管
こちらは1.であげた検体検査結果の電子カルテへの取り込みとほぼ同じ作業です。
外来の患者さんや病棟の入院患者さんが受けられた心電図や超音波検査の所見用紙やスマートウォッチ(睡眠時無呼吸症候群”SAS”の検査)、PSG検査(SASの確定診断に必要な検査であるポリソムノグラフィー検査)などの結果データ帳票を電子カルテへ取り込み、ファイリングします。

4.病棟の採血管準備
病棟の入院患者さんの翌日の検査用の採血管を準備します。
あらかじめ、予定されている検査の採取用のスピッツを前日の夕方頃に各階ごとに用意します。
項目により採取管の種類が異なり、また患者名や項目の間違いのないように細心の注意を払って準備しています。
翌日朝に病棟で採血された検体を回収して検査が進められます。

5.その他事務作業
こちらは読んで字のごとく、電話応対や書類作成・整理、コピーなどの事務作業です。
いかがでしょう。
検査科のクラーク業務がどんなものか伝わりましたか?
検査技師さん達の業務がスムーズに行えるように裏方のスタッフとして日々頑張っていきたいと思っています。