循環器Physical Boot Campの裏側

9月15日、16日みどり病院にて「第2回循環器Physical Boot Camp」が開催されました。
「循環器Physical Boot Camp」とは何かというと、当病院長の室生が代表世話人を務める「循環器Physical Examination講習会」の内容を講義は勿論のこと、実技を交えて実践的に学べるBoot Camp(新兵に対して行われる教育・訓練プログラム)という名の講習会なのです!
では、ここでPhysical Examinationについて説明します。
直訳すると、Physical(体の、肉体の) Examination(検査)ということになりますが、一般的には身体所見と訳されます。
身体所見とは、視診、聴診、触診など、患者さんに直接触れて、その患者さんの異常の有無を調べる方法です。
このような身体所見に関する講習会は全国でも少なく、実践を交えた講習会となると、この「Physical Boot Camp」は他では学ぶことのできない貴重な講習会だと自負しております。
前置きが長くなりましたが、今回の記事の内容は「Physical Boot Campの裏側」ということで、スタッフとして参加した感想やここだけの裏話をお届けしたいと思います。

今年で2回目を迎えたBoot Campですが、昨年の参加された先生方のアンケートをもとに、新しい試みとして健常者の診察というワークショップが追加されました。
健常者のボランティアの方に手伝っていただき、その場で診察して所見をつけ、その後、講義を聴き知識をつけた後、2日目にもう1度所見をつけ直してみるといったフィードバックのできるワークショップです。
このために、検査室では、事前にボランティアの方に病院へ来ていただき、院長監修のもと心エコーや心音脈波検査、頸動脈・頸静脈の撮影等を行いました。

写真は自らVTRを撮影する院長です。真剣そのものです。
ボランティアとして協力してくれた方も実は、心臓の音でⅢ音(一般的に心臓のドックンのドッがⅠ音でクンⅡ音と言われており、その後に聞こえる低音の音がⅢ音です)という音が聴きやすいかどうか、検査室主催のⅢ音オーディションをクリアした選ばれしボランティアだったのです!
先月の検査室の記事で心音のことを詳しく紹介していますので、気になられた方は是非、目を通してみてください。

このように検査技師としてのお手伝いは勿論ですが、Physical Examinationの事務局のクラークさんと一緒に参加者の先生方の名札作りや資料作り、案内のスライド作り、会場の設営といった事務作業も行います。

また、北は北海道から南は沖縄まで、はるばる来られた先生方に学びやすい環境を提供すべく、飲み物や糖分補給のお菓子などを用意し、2日目の朝のモーニングセッションで提供するパンの試食なども行いました(これも立派なお仕事です!)
当日は参加者の先生方の案内や、講師の先生方のお手伝いなど、きりきり舞いで気が付けば1日が終わっていました。

医療に携わる人間として、生涯勉強の一環として講習会に参加することはあっても、まさか自分が講習会のスタッフとして運営に関わることになるとは思ってもいませんでした。
ですが、実際にスタッフとして参加してみると講習会というのは事前準備にかかる多くの時間と手間、当日起こる予期せぬハプニング…と大変なことばかりです。
しかし、この準備を通して勉強することも多く、私の知識として仕事に生きてくるのも事実ですし、何より、講習会後のアンケートで「大満足の講習会でした」や「来年も参加させていただきます!」といったお褒めの言葉をいただけたときの達成感は素晴らしいものです。
回を重ねるごとにパワーアップできるよう、検査技師としても運営スタッフとしても成長してきたいと思います!

~追記~
参加者の先生方からの意見を紹介させていただきます

「内容も充実しており、実践的でとてもためになりました。」
「少し難しくレベルが高い印象も受けましたが、身体診察の評価方法を知れたので、早速実践してみたいと思いました。」
「ハンズオンでの実習が非常に良いと感じました。」
「運営がすごく大変かと思いますが、続けていただければ後輩にも薦めたいです。」
「講師の先生方の身体所見のカルテ記載の仕方をもう少し聞いてみたかったです。」