尿の見た目でわかる病気のサイン

トイレに流す前に自分の尿を見ていますか?
実は尿をチェックするだけで身体の状態を推測するための情報が得られます。
色はどうか、量はどうか、匂いはどうか…

私の娘はよく発熱や、下痢をするのでオムツでの脱水チェックは欠かせません。
脱水になると尿が濃縮されて濃い色になったり、量が少なくなったりします。
脱水というと夏場のイメージがありますが、水分の摂取量が少なくなる冬も起こりやすく、下痢や嘔吐、風邪や肺炎などの発熱時や、自分で水分補給が出来ない乳幼児、高齢者で発症しやすい症状です。

(尿の色)

健康な人の尿は淡黄色から淡黄褐色です。
これは、血液を分解した時にでる代謝物であるウロビリンの色です。
このウロビリンは常に一定の量が排出されています。
水分の摂取量が多いと、体内の水分量調節の為にたくさんの水が尿として排出されるため、ウロビリンの量も薄まり透明に近くなります。
体内の水分が多いときは尿が増えて色が薄くなり、水分が少なければ尿量が減って濃い色になります。

ただし、朝起きた時の尿の色が濃いのは正常です。
睡眠中は尿量を減らすしくみが働き、尿を濃縮しているためです。
日中も朝と同じ濃い尿が出たときは脱水かもしれません。
また、ビタミンB2などが入ったビタミン剤を飲んだときは、尿本来の色より鮮やかな濃い黄色の尿が出ることがありますが、これはビタミン剤の色です。

水様透明:水分過多、尿崩症、糖尿病など
黄色  :正常
白濁  :膀胱炎、腎盂腎炎など
褐色  :脱水症状、ヘモグロビン尿(放置により黒色化)など
赤色  :血尿、尿路結石症など
赤褐色 :横紋筋融解症など

血尿には尿が赤いなど、尿に血が混じることを目でみて判断できる肉眼的血尿と、目でみて尿の色の変化はわからないものの、尿検査にて血が混じっている顕微鏡的血尿があります。
血尿は尿を作る腎臓や尿の通り道となる尿管、膀胱、尿道の重要な病気のサインです。
見つけたら早めに病院へご相談下さい。

(頻度)

排尿回数は人にもよりますが、だいたい1日4~6回で、10回以上行くのは異常です。
頻尿は尿量の増加がなくて排尿回数のみが増加し、膀胱に炎症などの刺激があることが考えられます。

(混濁)

細菌感染による膀胱炎の場合、尿が白っぽく濁る膿尿が出ることもあります。
正常でも排尿直後は透明ですが、放置すると塩類がでてきて混濁をする場合があります。

(泡立ち)

高度の蛋白尿および、ビリルビン尿は表面張力が大きいことにより尿を振ると泡が出てくることが多いです。

(尿の匂い)

普段の尿はわずかに芳香臭(ネギ、ニンニク、ニラ、アスパラガスを食べたのちの尿、飲酒後の尿は特異な臭気)がするだけですが、病気によってはその病気特有の臭いがします。

膀胱炎        →排尿直後より不快なアンモニア臭
重症の糖尿病     →甘酸っぱい臭い
フェニルケトン尿症  →ネズミの尿のような臭い
メ-プルシロップ尿症 →メ-プルシロップ様の甘い臭い
トリメチルアミン症  →腐敗魚臭            など

今回は簡単にまとめましたが、健康な人でも食事や運動などの影響で異常が出る場合があり、必ずしも病気と結びつくとは限りません。
しかし、日ごろから尿を見る習慣をつけることが大事です。
尿検査はいつでも簡単に出来る検査ですので、気軽にご相談ください。

家でチェックするときは白い紙コップがあるとわかりやすいですが、紙コップを用意していない場合でも、白い便器ならある程度色の変化はわかります。
泡洗浄剤や、色付きの洗浄剤などを使用しないでおくと、チェックしやすいです。

尿は健康のバロメーター。
もったいないので、しっかり見て流してくださいね。