勤務中に職員の方から、ふるさと納税や積立NISA、iDeCoに関する質問をお受けする事が多くなりました。世間では物価上昇の波が押し寄せていて、節約や投資・資産運用などに関心が高くなっている事を感じます。
総務課にいるので【ふるさと納税や積立NISA、iDeCOの事はなんでも聞いてください】・・とドンと胸を張って言いたいところなのですが、実はどれもやった事がありません。仕組みやメリットが良くわからず行動を起こせずにいましたが、今年から積立NISAとふるさと納税をはじめました。
もうはじめられてお詳しい方もたくさんいらっしゃると思いますが、今回は私のふるさと納税デビューの際に、疑問に思い調べた事をお伝えしたいと思います。
◇どのくらいの方がふるさと納税をしているだろう?
総務省が公表している「ふるさと納税に関する現状調査結果」によると、2022年度のふるさと納税の受入額は9654億円にものぼり、控除適用者数は約891万人でした。利用率は日本人の14.9%になるそうです。ちなみに利用率の一番高い都道府県は東京都(22.9%)で、私たちみどり病院のある兵庫県(17.8%)は4位でした。
ふるさと納税制度が創設された平成20年から右肩あがりに利用者が増えているので、ふるさと納税の認知度が年々高まってメリットを感じる方が増えているのかなと関心が湧きました。
【参照】ふるさと納税に関する現況調査結果 (令和5年度実施)|自治税務局市町村税課
https://www.soumu.go.jp/main_content/000827748.pdf
◇そもそもふるさと納税って?
自分が好きな自治体に寄付をして貢献できる制度です。手続きをすると返礼品がもらえて、控除上限額内であれば寄付額から2,000円を引いた金額が翌年の所得税や住民税から控除される仕組みです。
◇節税になる?ならない?
ふるさと納税は税金自体が減るわけではなく、自治体への寄付額のうち2000円を越えた部分を先に前払いする制度。なので、節税(納税金額が減る)効果があるわけではないのですね。
◇ふるさと納税のメリットって?
1.返礼品がもらえる
寄付した自治体からその土地の特産品など、肉や魚介類・果物・野菜・スイーツ・お米・ビールなどの食材・食品の他、日用品や温泉や体験ツアーなどさまざまな返礼品がありました。
2.寄付金控除が受けられる
自己負担金2000円を除いた寄付金の全額分を「寄付控除」として受けられます。
3.寄付をする自治体・用途を選べる
好きな自治体や復興支援や教育・福祉の支援など寄付の目的に合わせて応援できる。
私は迷ってしまったので「市長におまかせする」という選択肢にしました。ほんの少しでも何かのお役に立てるのかなという少し誇らしい気持ちになりました。
◇デメリットは?
1.控除限度額を越えると自己負担になる
ふるさと納税を行う本人の給与収入や家族構成、扶養者有無などによって異なります。控除上限額を超えて納税すると、自己負担分が増えてしまうので、まずは自分の控除上限額を確認することが大切です。
ふるさと納税の申し込みができるインターネットサイト内や総務省 ふるさと納税ポータルサイトに限度額シミュレーションが設けられているので、そこで限度額の目安となる金額を計ることができます。
今年の所得金額から算出するので、1月から今月までの給与合計と12月までの給与見込みが必要です。
職員のみなさんは今年度の年収がどのくらいになるか、お調べする事ができますのでお気軽に総務課までお尋ねくださいね。
【参考】総務省 ふるさと納税 ポータルサイト
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
2.寄付金控除の申請の手続きが必要
控除申請を忘れてしまうと、控除がされないため必ず必要です。
ワンストップ特例制度か確定申告のどちらかで申請をする必要があります。
●ワンストップ特例制度
- ふるさと納税の自治体が5つ以下
- 医療費控除などの確定申告が不要
- 給与の収入金額が2000万円以下の方
この申請が難しいのでは・・と思っていたのですが、実際にやってみると簡単でした。ふるさと納税の商品を選択した際に「ワンステップ特例制度を利用しますか」の質問にチェックをすると自治体から申請書類が送られてきました。
それを記入して、マイナンバーカードなどの書類を同封して返送するだけで完了します。オンラインサービス対象の自治体は、公的個人認証アプリ「IAM」から申請できました。こちらも実際やってみて、マイナンバーカードを登録し、いくつかの入力だけで完了しました。オンライン申請だと申請書や添付書類の返送の必要がないので、よりお手軽に感じました。
●確定申告
自営業の方や、上記のワンストップ特例制度の条件に当てはまらない方は確定申告で申請が必要です。
3.ふるさと納税をすると損するかもしれない人がいる
●住民税と所得税をはらっていない人(非課税範囲の所得しかない学生、主婦、主夫)
全部寄付したことになってしまいます。
●「年収150万円未満(独身または共働き)」「年収250万円未満(夫婦で配偶者に収入がない場合)
寄付できる限度額が低く自己負担金2000円を引くと、プラスになるものが少ないためです。
●ふるさと納税をした年に退職した(する)人
退職金は税制上の優遇があり、所得税や住民税が多くかからないようになっています。それなのに収入が増えたとふるさと納税をたくさん利用すると限度額を越えてしまう可能性があります。
◇感想
始める前に思っていたよりもずっと簡単で普段のネットショッピングと同じ感覚で選ぶ事ができました。地域の特産品の他、体験型のものや家電まであり本当に悩みました。ちなみに、宮崎県の焼き鳥と山梨県のミネラルウォーター、和歌山県のみかんを選択しました。とてもおいしくて大満足です。
今から来年は何にしようかなぁなんて考えているので毎年の楽しみになりそうです。もっと早くからやればよかったなと感じるので、何事も難しそうだなと勝手な自分のイメージだけで終わらせずきちんと勉強しこれからより知識を深めていきたいです。
みなさんのおすすめの返礼品があればぜひ教えてくださいね。