
過ごしやすい気候になり、おでかけする機会が増える季節となってきました。どこに行こうかと計画を立てている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私はおいしい食べ物を求めてドライブすることがとても好きです。
最近のブームは『そば』にはまっていて、いろいろなお店を探しています。(おいしいお店があればぜひ教えてください!)楽しい道中でも長時間の運転で集中力が切れたり、渋滞に巻き込まれて眠気が出てしまうことも。混雑を避けるために普段よりも早起きして出発するとなおさら眠くなります。
おでかけをより快適に安全に過ごすために、ドライブで役に立つアロマテラピーを今回ご紹介したいと思います。ずっと休みなく仕事だよ、日々忙しくてなかなかおでかけの時間がとれないよという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方も、出張や通勤の移動時間、日常生活の中でもご活用していただけると思うので、参考にしていただければ幸いです。
◇香りと記憶のお話

ご紹介の前に香りと記憶について少しお話します。ふと香りを嗅いだ時に、昔の出来事やその当時の気持ちを思い出す事はありませんか?例えば公園から香る花や食事の香りで幼い頃の景色が思い出されたり、歌の歌詞にもあったように香水の香りから特定の方を思い出してせつない気持ちになったり。
私はプールの塩素の香りを感じると学生時代に打ち込んでいた水泳部の練習風景が思い出されます。部活の仲間とのたわいない会話や試合の応援時の掛け声、わずかでもタイムが更新して嬉しかった事、練習が辛くて涙した日など喜怒哀楽の感情までが思い浮かびます。
香りを嗅ぐ事により、その時の記憶や感情が蘇るのは脳の仕組みが関係していて、こうした現象を「プルースト効果」と呼ぶそうです。嗅覚が人間の記憶をつかさどる脳の「海馬」にダイレクトに働きかけます。
香りが届くと海馬は記憶の保管庫のような役割を持っていますので、匂いを感じるとほぼ同時にその該当するファイルを見つけ出し、その時に感じた喜怒哀楽や好き嫌いの感情までもが呼び起こされるという仕組みです。
こうしたプルースト効果のメカニズムを様々な分野で研究が進められ、例えば、認知症ケアにも応用して認知症の予防や改善につながることが期待されているそうです。おでかけ先で、いろいろな香りに触れて、記憶に残る素敵なおでかけの思い出を作っていただければ幸いです。
◇ドライブで役に立つアロマ
1:車の運転に集中したい・眠気を覚ましたいとき

疲れを感じる前に休憩をとる事が大前提!脳は糖分が不足しても、逆に血糖値が上がっても、眠気を生じます。低血糖が疑われる場合(食べていない時)は甘い飲み物を適度に摂取したり、運転前は食べ過ぎに注意したり(特に炭水化物多く摂ると眠くなります)、運転時の眠気は対策できます。
信号待ちの間に軽く首や肩を回してストレッチをすることが効果的です。流れる音楽に合わせて歌って気分転換することもおすすめです。あまりに眠いときは無理をせず、安全な場所に車を停車して仮眠をとりましょう。
◇アロマで解決◇
シャキっとする香りを選んで、車内を香らせます。 (フローラルな香りは眠りを誘うこともあるのでNG!)ティッシュやコットンに精油を1・2滴染み込ませたものを、車内エアコンの送風口にクリップで挟むだけで、風に乗って車内に香りが広がります。狭い車内で密室空間になるので、少ない量で十分香ります。
濃い香りの中にいると香りに酔うといったことも引き起こしかねません。精油の天然成分を優しく感じましょう。車内のシガーソケットやUSBに挿すタイプの芳香器も販売されています。


(注意)
■精油は車内に放置しないようにしましょう
□車内は暑くなるため発火や破裂の原因となります。
□直射日光にあたると精油の劣化が進みます。
□精油は揮発性が高いので車内に置いておくと量が減ってしまいます。
おすすめ精油①【ペパーミント】
眠気と戦うときにミント味のガムを噛むことがあるかと思いますが、あの香りです。メントールの爽やかな香りは、頭の中をスッキリとさせて集中力を高めてくれます。抗菌・殺菌作用が車内の空気の浄化にも役立ちます。
おすすめ精油②【レモン】
フレッシュで爽やかなレモンそのものの香りもおすすめです。心身をリフレッシュし、心を明るくしてくれます。また冷静になりたい時や集中したい時にも効果的なので、渋滞などのイライラ解消にも。
抗菌・抗ウィルス作用があると言われているので感染対策や空気の浄化にも効果を発揮してくれます。
2:車酔い、吐き気予防に
車の移動中に気分が悪くなってきたら、窓を開けて新鮮な空気を取り込んでまず深呼吸。締め付けているベルトや服を緩めて、シートも楽な姿勢になれるように倒します。
◇アロマで解決◇
胃腸の働きを整えると言われる香りを嗅ぐとやわらぎます。ティッシュやハンカチ(目立たないところ)に1滴垂らし、ゆっくり嗅ぎます。予防で車に乗り込む前に香りを嗅ぐこともおすすめです。
おすすめ精油①【ペパーミント】
すっきりとした香りで胃腸のムカムカ感をやわらげてくれると言われます。
*精油を使ったドライブアロマ以外にも、ペパーミントはペパーミントティーを水筒にいれて車内で飲むのもおすすめです。室内の香りからも、お茶からも、ダブルでペパーミントを味わって気分をリフレッシュさせましょう。

3.車内のニオイが気になる時
車内は密閉した空間なので臭いに対して敏感になります。いつも乗っていると気づかなくても、他の人には気になることも。タバコやペット、飲食物の残り香やエアコンのカビのような臭いなど車内にこもりやすいです。こまめに窓を開けたり、掃除をすることが効果的です。
◇アロマで解決◇
(臭い)は悪いニオイ、(匂い)は良いニオイを意味するそうです。芳香剤は市販されていますが、人工的に作られた香りになるので、ぜひ天然の香りの良い(匂い)で車内を心地よい空間にしましょう。
おすすめ精油①【ティートゥリー】
草木の香りの中に樹木を感じさせるクリアで清涼感のある特徴的な香りです。
オーストラリアでは先住民アボリジニの時代から、葉をすりつぶして傷や感染症の万能薬として利用されており、現在でも各家庭で精油を常備され掃除や健康管理に役立てているそうです。強力な殺菌・抗菌・抗ウィルス殺菌・抗カビ作用があり、空気の浄化にとても効果的だといわれています。
おすすめ精油②【ユーカリ】
コアラの主食として有名ですがティートゥリーと同じ科の植物でこちらもオーストラリアで一般的に使用されている精油です。
抗菌・消臭作用があり、清涼感のあるシャープな香りで森林浴をしているような爽やかさで空間をすっきりさせてくれます。心と体にも爽やかでクリアな香りとユーカリの持つ作用が心地よい刺激となり、疲れた心をリフレッシュさせ、頭をスッキリさせ、集中力を高める事もできるのでドライブにぴったりです。
体調の他、気分や時間帯によっても香りの印象が変わります。ぜひ様々な香りを持って素敵なおでかけの時間を楽しんでくださいね。
