病院にとって、2年に1度大きなイベントがあります。
それは『診療報酬改定』。
初診料は2,820円、再診料は720円といった全国統一の医療費の価格設定があるのですが、それが2年に1度改定されるのです。
次の改定が、来年(平成30年)4月。
ちょうど、3年に1度の介護報酬の年とも重なっていて、ダブル改定でいろいろと大きく変わるのではないか、とどの病院も戦々恐々としています。
同じように医療を行っていても、4月1日になると、有無を言わさず値段が変わるのです。
たとえば、現在みどり病院に入院すると1日最低13,320円(3割負担で3,996円)の医療費がかかります。
プラス行なった手術や検査、処方された注射やお薬の費用が追加される、という仕組みになっています。
この1日の入院料13,320円というのは、みどり病院が「10対1入院基本料:1,332点(1点=10円)」の施設基準を満たしています、という届出を国にしているからなのですが、もし次の改定で13,320円から100円下げて13,220円にします、と決まるとすると、108床のみどり病院では同じことをしていても、約30万円/月の減収となってしまうのです。
その分新しい医療機器を買うのを我慢するのか?リストラして人件費を削減するのか?患者サービスの質は落としてはいけないし・・・と、どの病院も知恵を絞って考えるのです。
みどり病院が「10対1入院基本料」の施設基準を満たすという届出をしていると書きましたが、この届出にもいろいろと条件がありまして、ざっくり言うと「患者10人に対して常時看護師を1人配置する」というものです。
他にも、看護職員の月平均夜勤時間数が72時間以下、平均在院日数21日以内、等々細かく条件が決められています。
もし、その条件が満たせないとなると「13対1入院基本料:1,121点」に届出変更となり、1日1部屋2,110円減、108床のみどり病院ですと1ヶ月約700万円の減収(!)となってしまうのです。
逆に、十分に条件が満たせると「7対1入院基本料:1,591点」という選択肢も出てきます。
そうなると、1日1部屋2,590円増、108床のみどり病院ですと1ヶ月約800万円の増収(!)となるのです。
病院にとって、どの施設基準が満たせるか、改定でその点数がどれだけ上がるか下がるか、というのが死活問題になってきます。
日本の医療費は全国統一のはずなのに、同じような治療をしても病院によって支払う金額が違う、というのはこういったことが関係しているんですね。
どの病院がどの施設基準の届出をしているのかは、院内の掲示やホームページで確認することができます。
入院基本料以外にもいろいろな施設基準があります。
ぜひ一度みどり病院の院内掲示やホームページを確認してみてください。