レセプト奮闘記

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医療事務のメインともいえる業務が、レセプト作成です。
レセプト作成は、総医療費から患者様負担額を差し引いた残りの医療費について月末締めで毎月患者ごとに作成し、診療内容をレセプト用紙にまとめ、審査機関(患者が社保であれば支払基金、国保であれば国保連合会)へ提出し、診療報酬を請求します。
初診・再診料や投薬や注射、検査など複数の項目があり、患者様のカルテからどの処置をしたか、何点かなど記入していくのですが、いまどき手書きで作成することは殆どなく、レセコンと呼ばれるパソコンで作成します。

そして、私たちの仕事は、ここからが本番です。
所定の様式に作成された診療報酬請求書(レセプト)の、診療内容に対し病名が正しく記載されているか、厚生省が定めた加算点数というものを算定し忘れていないか、また、重症患者様で診療内容が複雑な高額請求に対してはお医者様に、病状詳記をお願いする。
一人ひとり違う治療が行われるため、同じ請求書になる筈もなく、請求書ができたからといって、請求金額全額を収入とできる事もなく、今度は査定という大きな壁にぶち当たることとなります。
査定とは、審査機関により、「治療が過剰である」とか、「算定ルールが間違っている」などの理由で、請求金額から減額されることです。
そこで、「必要だから行った治療が過剰とは何ぞや」と、不服申し立て(再審査請求)をするというのが、だいたいレセプト請求の一連の流れです。
この査定をいかに少なくするか、永遠の課題です。

昨今、レセプトチェックソフトなどという強い味方が世の中にはびこっていますが、頼り切るわけにもいかず、請求締め切り日に間にあうように日々努力あるのみ、です。
締め切りが毎月10日であるため、この間も勿論日常業務(受付・外来患者様の計算・電話対応等)も通常通りこなさなければならず、月初めの残業は必然で、土曜日の午後はまるで合宿のように、スタッフが残り、このレセプト業務を行います。
少し前までは、日曜・祝日も関係なく、10日間みっちり残業・連勤だったのですが、今はスタッフの努力もあり、なんとかこの悪夢の連続勤務からは解放されました。
日中はもちろん、診察が終わっても、受付のシャッターが降りた後、日曜日と医事課の中では、月初の戦いが繰り広げられているのです。
皆、便覧や辞典、マニュアル本を片手に、受付では決して見ることのできない難しい顔で取り組んでいます。
病院の収益に直接繋がる業務であり、このレセプト業務無くして、病院の存続は難しいといっても過言ではありません。
直接、医療を行う部署ではありませんが、どの部署も表には見えない仕事があり、それら全てが、病院を支えているものなのです。

この記事を書いている今もまさに、レセプトに奮闘中です。
いつもと変わらない、病院の待合を眺めつつ、今月も裏稼業に励みたいと思います。