患者体験記2 ~入院編~

あけましておめでとうございます。

初詣には行かれましたでしょうか?
家内安全や一年間健康に過ごせますようにと、お参りされた方もたくさんいらっしゃると思います。
“健康”って、健康なときは「私、健康だなぁ」「ありがたいなぁ」などとは、なかなか意識しないものです。
そして、実際に体調を崩し、病気になった時に慌ててしまうことありますよね。
その時に改めて健康のありがたさを痛感するものです。
私たちスタッフは、月の大半を病院で過ごします。
お仕事として。そして、たくさんの患者さんと接しています。
毎日色々な医療のことに触れているはずなのに、自分と病気が結びついてはいません。
体調不良で受診をすると、いつもは当たり前のように立っている受付のカウンターが、患者として病院に行くとこんなに違うものかと感じます。

今回は、実際患者になって入院をした医事課の仲間に体験談を聞きました。
何とも前向きな楽しい(?)体験談ですが…。

『数年前に入院したときの話です。
手術目的の入院だったのですが、緊急ではなかったため入院するまでにかなり月日がかかりました。
いざ入院してみると意外に淡々としていた自分にビックリしました。

さすがに手術は緊張も痛みもあり大仕事でしたが、術後の苦痛が去ってからは入院生活を楽しみました(言い過ぎかもしれませんが)。
何より心待ちにしていたのが三度の食事。
とても美味しく、時間になると仲良くなったルームメイトと1,2を争うほど早くお膳を取りに行きました。
カートから自分のネームプレートのあるトレイを取ろうとして「確認するまで待ってね」と看護師さんに注意されるほどでした。
病院の食事は栄養士さんがカロリー計算し、メニューを作ってくれるので安心です。
毎食完食!
毎回写真に撮るほどの楽しみでした。
退院前日の夕食は“おでん”だったことを今でも覚えています。

第2の楽しみは談話室に置いてある漫画『ブラックジャック』を読むことでした。
入院中に読み切ってしまうほど夢中で読んだものです。
普段の生活では、なかなかゆっくり本を読む機会を作るなんてできません。
その他の時間は、ひらすら病棟内を散歩しました。
足腰が弱ると困りますもんね!
そんな散歩の途中、高層階からの眺めも楽しみました。
昼間は近くの公園で子犬の躾教室をしているのが見えてのどかな気分になったり、きれいな夜景に癒されたり…』

手術をしたという話がなければ、まるで有閑セレブがバカンスをしているようなお話ですが、もちろん入院に対する不安も苦痛も戸惑いもあったことと思います。
そして、患者さんの立場になって感じたこともあるそうです。
『でも…』と話は続きます。

『事務のスタッフ、クラークさん、看護師さん…忙しそうにされていると、声をかけるのに遠慮をしてしまった。
スタッフとして働いているときは、もちろん患者さんから声を掛けられたらきちんと応対する気持ちでいます。
しかし、いざ声をかける側になった時に、今まで本当に患者さんの立場に立てていたかを考えた。』といいます。

カウンターのこちらと、あちらでは見える景色も感じる想いも違います。
改めて、自分を省みて、患者さんとどのように接すれば良いのか考えるとてもいい経験になったそうです。

健康が一番!ですが、みどり病院にお越し頂いたときに、患者さんがお声をかけやすい雰囲気・環境作りにますます力を入れたいと思います。
今年もよろしくお願い申し上げます。