医事課勉強会

昨年から院内の勉強会の一環として、我々医事課の勉強会が開催されています。
これは、私たちが受ける側の勉強会ではなく、ドクター、看護師さん、技師さんなど他職種の方々に向け、私たち医事課のスタッフが診療報酬についてお話しする勉強会となっています。

日々の業務の中で、常に「これは何点、加算が何点…」と考えながら処置や検査にあたっている看護師さんや技師さんはいないと思います。
果たして、自分たちの行っている医療行為がどれくらいの診療報酬になるのか、そして指導に対する加算などがどれくらいあって、何点になるのか、保険の種類や、その負担額などを知ってもらおうという主旨から始まった勉強会です。

毎月1回、順番に担当者を決めて発表します。
1年目は基礎的な内容から始めました。医事課の中でテーマを出し合い、最終的に医事課の長がスケジュールと担当者を決めての発表となりました。
パワーポイントで資料を作り、発表までに何度も手直しをしてリハーサルも行います。
徹底した準備で行います。

と言うのも、実は今までに医事課のスタッフが行う勉強会というものがなく、『勉強会』と言えば『受けるもの(聞くもの)』だったので、皆が悪戦苦闘しながら一生懸命準備と本番に臨みました。
今年、2年目は各々がテーマから内容、全てを決めて準備にあたったのですが…
これがまぁ大変でした。

勉強会をするからには、皆が知りたいことをテーマにしたい!興味を持ってもらいたい!たくさんのスタッフに参加してほしい!
と気持ちは満々ですが、いざとなると皆が一体何を知りたいのか、どんなことに興味があるのか、私たちにとっては『当然』のことが他職種の人には『未知の世界』です。
その『未知の世界』が私にとって『未知の世界』になるというパラドックスに陥ってしまい、テーマを決めるところから既に頭を抱える始末でした。

四苦八苦しながらテーマを決めて、準備に取りかかると、今度は「あれ、この検査はどんなふうにするのかな?」「○○と△△は1度の採血でできるのかな?」などと、私の方が疑問に思うことが多々あり、その都度、検査科や放射線科、色々な部署に行き誰彼捕まえて、質問するという、どちらの勉強か分からない状態になってしまいました。
薬や検査に対する病名や、状態に対する加算、指導料などはもちろん分かります。
しかし、実際にそれがどのように行われているのか知らないことがたくさんあることに、改めて気づきました。

簡単に思っていた処置が実は、なかなか手のかかるものだったり、すぐにできると思っていた検査が時間のかかるものだったり…
患者さんに正しい請求ができて、きちんとしたレセプトを作成できれば我々の仕事は成り立ちます。
しかし見方を変えると、カルテの画面や診療報酬の本(活字)だけでは分からないことだらけで、同じ院内にいるのに職種や場所が違うだけで、こんなに知らないことがあるということに本当にびっくりしました。

皆に医事課の仕事を知ってもらうつもりで始めた勉強会、だけど同時に自分自身の勉強にもなったし、これから、いろんな部署の仕事の内容を知りたい・見たいと思う良いきっかけになりました。
そして、医療従事者同士でも知らないことがたくさんあるのに、患者さんにとっては全てが分からないことだらけなんだなぁとも感じました。
この薬は何に効くのか、その検査で何が分かるのか、その結果をどうみるのか、そして医療費はどれくらいかかるのか。
ご自身の体調の不安もあります。
患者さんが少しでも安心して病院にお越し頂けるよう、患者さんの立場になって、何が知りたいのか考えながら対応できる受付・医療事務員であるために、努力と勉強をし続けたいと思います。

皆さんが受けて頂ける保険診療にはレセプト上は限りがありますが、その中で、ドクターが必要と思われる検査や薬の指示を出し、処置に当たる看護師さんや、検査などを行う技師さんがいます。
私たちは医事課職員として、医療行為はできないけれど、患者さんにより良い医療を受けて頂くためのお手伝いと、少しでも患者さんの不安を和らげる配慮ができるよう笑顔で頑張ります。

そして、勉強会…
他部署のスタッフの皆さんには、随分、診療報酬についておわかり頂けたと思います。
来年は、別部署のお仕事をもっと知りたい!ので、そろそろバトンタッチはいかがでしょうか。