何気ない会話の中にも

皆さん、フロアーの椅子が変わったことにお気づきだと思います。
椅子が変わってもう一年位が経とうとしています。
前の椅子はかなり年季の入った椅子で、フロアーの印象は何となく暗い感じがしていました。
その椅子がいよいよ変わるとなると、何年も見てきた椅子なので「お疲れ様」という気持ちもして、なんとなく寂しく思っていたのですが…
実際に新しい椅子に変わったのを出勤してきて初めて見た時、
「フロアーが明るい!」
「電気も点いていないのに!」
とびっくりしました。
こんなに違うものかと思いつつ、コッソリ座ってみたら、座り心地も良い!
色も、目に優しいグリーンになりました。

グリーンには安らぎ・癒し・気持ちを穏やかに・ストレスを和らげる等の効果があると言われています。
確かに草原や山の木々を見ると気持ちが癒されたり、安らいだりします。
遠くの緑を見ると、視力の回復につながると聞いたこともあります。
そのためか、患者さんから待ち時間が長くなるとよく聞かれていた、
「あと何番目ですか?」
「まだ呼ばれないのですが…」
といった問い合わせが減ったような気がします。
それもグリーンの効果かもしれません。

私が受付や会計に立っているときに、患者さんとお話しする機会がよくありますが、
「椅子が綺麗になったね」
「椅子が変わって待合が明るくなったね」
と、お褒めの言葉をくださる患者さんがいます(男性の患者さんもそう言ってくださいます。嬉しいことです)。
中には「前の椅子はだいぶ古かったけど、新しくなって明るくなったわね。『みどり病院』だからグリーンにしたの?」と質問されることもあります(そうなのかもしれません⁉)。
そんな些細な会話ができることで患者さんとの距離も近づき私の気持ちも穏やかになることが多々あります。

以前私の父が、母の病院に付き添いで行った時に、
「お母さんの通っている病院は綺麗で明るかったし、働いている職員の皆さんも明るく感じた。」と言っていました。
母の病院とは違い、父が通っているのは『昔ながら』の診療所です。
それは印象も違うはずです。
私も母の病院に一緒に行ったことはありますが、待合は明るくおしゃれな感じだったと思います。働いている職員さんは以前と代わることはないはずなのに、父が職員の皆さんを明るく感じたのは内装のせいもあるのかなぁと思いました。

その会話の中で父が、
「あんな明るい感じの病院なら少し待ち時間があっても苦にならんな。」と言っていたのも思い出しました。
母がその病院に行くのは、治療が合っているのは勿論、そのうえで待ち時間が苦にならないこともあるからなのかと思いました。
そして、こんないつもの会話も、目線を置き換えると『患者さんの小さな声』なのだということにも気づきました。
両親が通う病院のあんな話、こんな話は今まで家族として「そうなのか」と聞いていただけでしたが、立場を変えると、それは患者さんの小さな声に耳を傾けることなのだと気づかされました。
みどり病院に来てくださる患者さんも、綺麗な椅子と明るくなったフロアーで、父と母が感じているような気持ちで過ごしていらっしゃるのかもしれないと思いました。
働いている私たちも変わりませんが、もしかすると前よりもハツラツと働いているように見えるのかもしれません。

親や患者さんとの何気ない会話にもたくさんのアドバイスなどがあって、それを感じつつ、患者さんに少しでも病院の時間を快適に過ごしてもらえるよう取り組んで行きたいと思います。