気をつける~「意識の焦点を合わせる」ということ~

近年はコンピュータの高速化、高性能化が一気に進み、AI(人工知能)を組み込んだソフトウェアが

当たり前の光景になってきた。

が、やはり、人間の脳に勝るものは無いと信じている。

そもそも脳が関係しない職業はない。

その上、人の心や意識は、最も身近な究極の謎であるが、誰もがその存在を感じることができる。

そして人は心や意識により豊かになれることも事実だ。

 

友人と街を歩いている。

私は『新しいサンダルが欲しいなあ』と思って歩いている。

一方友人はお腹が空いていて『美味しいものが食べたいなあ』と思って歩いている。

同じ道を同じように並んで歩いていても、それぞれがキャッチする情報は全く違い、

靴屋の横にあった新しいイタリアンレストランの存在に全く気付かない私と、

お洒落なコーヒーショップの隣にキラキラしたサンダルが陳列してあった事など全く覚えてない友人。

 

人間の脳は意識の焦点を合わせたものの情報を最優先でキャッチする。

言い換えると無関心なものに対する情報は無いに等しい。

 

受付から待合を見ている。

ただ『今日は患者様が多いなあ』とか、『少ないなあ』と思って見ているのでは、

何の情報もキャッチできない。

『気分が優れず、辛そうな方はいらっしゃらないか。』

『ずーっと長いこと同じ場所に座って待ち続ける方はいらっしゃらないか。』

『空調が効き過ぎていないか。』

と気を配るからこそ、その情報がキャッチできて対処もできる。

 

当たり前すぎるが、本当にそれだけなのだ。気付いて動く。

その量とスピードが仕事の質だ。

 

何か問題が起こり解決する時もそう、具体的な行動をすると具体的な結果が得られる。

方法論も大切であるが、『気をつける』という、人間の脳の特性に訴えた行動こそ、

最高の手段だ。

曖昧のようで1番現場に寄り添っている。

 

患者様は病院に来られて帰宅されるまでの殆どの時間を待合で過ごされる。

いつも温かい関心を寄せることが一番のホスピタリティであると自覚し、

患者様の小さな変化に気付き対応ができるよう努めたい。

それでも、いろいろ行き届かないことがあれば、どうぞお気軽にお声掛けください。

今後ともよろしくお願い致します。