今までに何度か家族が入院することがありました。
その都度病院の様子を観察するのが私の習慣となっています。
受付や看護師の対応、詰め所の様子、リハビリの訓練の見学、
洗面所やトイレなどの設備そして食事。
新しい建物のところもあれば、古いなりにも丁寧に管理がされているところもあったりで
様々でした。
しかし、どんなにハード面が立派でも、
ソフト面がなっていなかったら良い病院とは言えないと思います。
もう何年も前ですが、家族が大けがを負い、某病院に救急搬送されました。
救急外来での診察・検査を終え、入院することになりました。
入院した病棟は、急性期医療に対しての診療行為が包括される病棟でした。
しかし、そこでは残念なことに、主疾患に対する治療以外の医療行為は、
こちらがいくらお願いしても一切行ってもらえませんでした。
その病院のルール上そうなのでしょうけども…。
顔面の受傷もあり、傷口にゴミや小石が付着し、出血と膿も出ていました。
処置をお願いしましたが、「先生の指示が出ていない」「この病院は○○科は無い」と言って,
何日たってもそのまま放置状態で、洗浄すらしてくれませんでした。
患者本人や家族が望めば、医療人として相応の対応(保険診療の範囲を超えても)を
してくれるだろうという期待は、その病院では通用せず、とても大きなショックを受けました。
世の中には、そういった機械的、事務的な対応をされる病院もある一方、
手前味噌ですが、わがみどり病院は人間味あふれる地域密着型の医療で、
温かい心を持ち合わせたスタッフが、患者さん一人ひとりに親身になって
対応している病院だと思います。
私も自分の家族も、安心して入院させられる病院だと思います。
外来や入院でも、医療技術が優れているのは重要なことですが、
それに加え、患者側の話をしっかりと傾聴し、受け止め、寄り添い、
信頼関係が築けていると感じます。
待ち時間が長いと訴えてこられた患者さんには、どのような理由で時間がかかっているかを説明し、
ご納得いただけるよう誠実に対応します。
また、気分がすぐれないご様子の患者さんには、ベッドで休んでいただいたり、
駐車券をなくされたと言われる方には一緒になって捜索し、
見つかった時にはとても喜んでいただいたことがありました。
長く治療を頑張ってきたある患者さんがお亡くなりになった時には、誰に言われるでもなく、
職員が代わるがわる病室を訪れ、一人ひとり思い出を語りお別れをしていました。
また別の患者さんの時は、多職種の職員大勢でお見送りをしたこともありました。
どの患者さんも治療に前向きで、一生懸命な姿を見ていると、
こちらも自然とそれに応えようとして、寄り添うことがでます。
この病院に来て「あの職員と話をすると元気が出る。笑顔をみるとこころが和む。
そんな気持ちで来られていた患者さんも少なくはないと思います。
設備や技術はもちろん大事ですが、同様に、人としての温かさも、
とても大切なことと思っています。