
みどり病院に入職して、1年が経過しました。医事課の仕事は、医療事務員として他の病院から合わせると、30年になります。その間、医療制度はめまぐるしく変化してきました。
2年に1度の診療報酬改定で、医療の在り方、医療サービスとは?等、病院に問われることが多くなったと思います。また、制度があまりに早く変化していくので、患者さん側も戸惑う事が多いのではないでしょうか。
直近では、マイナンバーカードの導入です。2024年12月には、新規の保険証の発行が停止されました。今後、マイナンバーカードと保険証の紐付けをして、マイナンバーカードを医療機関に設置している顔認証付きカードリーダーで保険証の確認を行うようになります。「マイナンバーカードと保険証をどうやって紐付けるの?」と不安に思われている患者さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
安心して下さい! 医療機関でできます!
医療機関に設置している、顔認証付きカードリーダーで、簡単に紐付けが行えますので、「どうすればよいのか分からない」と不安に感じている患者さんは、受付職員までお尋ね下さい。
患者さんが不安に感じていることを先回りして、患者さんが安心して受診できるような体制を整える事が、受付・医療事務としての役割だと思っています。
また、私が携わっている医療事務の仕事として大きく変化したと感じたのは、平成15年より導入されたDPC制度です。DPC導入医療機関では、入院診療費が出来高計算方式から包括計算方式へ変更になり、主病名に対して診療費が決まるといった計算方法になりました。みどり病院はDPC導入病院ではなく、出来高制を採用されていました。
2024年の診療報酬改定では、このDPC制度は、高度急性期医療の病院が主に採用し、今後、中小の医療機関は、2024年6月より新しく出来た地域包括医療病棟へ移行し、地域の急性期病院としての役割に特化していく方向性を示している改定であったと私は考えます。
この、地域包括医療病棟とは、DPC制度と同じく、包括計算方式を採用します。DPCと違う所は、病名で入院診療費が決まるわけではなく、1日○○○○点といった、「1日いくら」の考え方で入院診療費が決まります。例えば手術やリハビリなど、包括されない診療費もありますが、主に、入院生活において必要な検査や注射、投薬は、この「1日いくら」の中に含まれます。
2024年11月より、当院でも地域包括医療病棟を採用しています。今後、地域の急性期病院として、高度急性期医療病院との連携をとりながら、新しい制度を導入し、患者さんにとってより良い医療サービスを提供できるように頑張ります。
そして、今後も国は、あらゆる診療報酬を作り、患者サービスを充実させようと医療機関に求め、新しい仕組みを作っていくと思います。医療機関は体制を整え、国が求める基準をクリアできるように、今後も努力が必要になります。
医療制度が変化していく中で、私は、在宅医療制度の見直しが、とても大きく変化したと思います。それまでは、病院で終末期を迎えるのが一般的な考え方でしたが、住み慣れた自宅で終末期を迎える体制が進んだ事です。
以前、勤めていた病院で、私は事務員でしたが、在宅医療に対する説明等を行うため、医師や看護師に同行し、患者宅へ訪問する機会が多々ありました。
在宅で医療を受けられる、医師が自宅に来て診察してもらえる、看護師が自宅に来て看護を受けられる…など、家族さんもご本人さんも安心して生活ができる様子をみていると、自宅で過ごせることが、患者さんにとって大きな安心に繋がるのだと気づきました。
また、在宅医療を行う事で、医師や看護師など、スタッフ間での信頼関係がとても深くなります。担当スタッフが在宅でできる医療を最大限考え、患者さんの思いを尊重しながら医療を行っている姿を見て、頭が下がる思いでした。
私は、事務員として何ができるのかを考え、在宅医療を行う医師や看護師と相談しながら、業務がスムーズに行えるようにサポートできた事は、とても良い経験になりました。
みどり病院に入職後、仕事を行っている中で、みどり病院は地域の急性期医療を行いつつも在宅医療を行い、患者さんに寄り添っている病院だなと思いました。入院治療が必要な時は入院設備のある病院で入院し、症状が安定したら住み慣れた自宅へ戻れる体制が整っていると思います。
今後も在宅医療を必要とする患者さんは多くなると思います。そして、中小の医療機関に在宅医療を推進していく動きは益々加速していく方向にあると思います。みどり病院が、地域の患者さんにとって安心・安全な生活を送るための医療サービスを提供できるように、医療事務員として、制度の発信や説明に務めたいと思います。
また、医療費や入院費用、高額療養費制度等、医療制度について、不安に感じていることがありましたら、ご遠慮なく受付へお尋ね下さい。
今後もみどり病院を宜しくお願い致します。