5月病と心臓病

こんにちは、この記事がアップされる頃には、雨と紫陽花の匂いの季節も終わり、そろそろ本格的な夏が近づいてきている頃でしょうか。
この記事を書いている今は、ゴールデンウィークもあっという間に過ぎ、梅雨の気配を感じる季節になってきました。
ゴールデンウィークといえば、みなさんの中にも長期の休みを利用して、家族で団欒を楽しんだり旅行をしたりされた方も多いのではないでしょうか。
また、職場での異動や転勤・進級・進学にともない新しい生活が始まって、環境の変化やライフスタイルの変調によって体調の変化や、心の変化が起こってくる時期でもあります。
毎年この時期になると、なんとなく気がめいってしまって勉強や仕事に集中できない、やる気が起こらないといった症状を訴える方が多くなってきます。

そう、みなさんも耳にしたことがある『五月病』かもしれません。
この『五月病』は医学用語ではなく、もともとは4月に進学・就職・部署移動などで環境が大きく変わる中、新しい環境にうまく適応できず高いストレスを生じてしまい、無気力な状態になることからついた呼び名だそうです。

よく見られる症状としては、不安が強くなる・夜ぐっすり眠れない・すぐに疲れてしまうなど、無意識のうちに心と体を守ろうとして防衛本能が働きます。
このような状態が長く続いてしまうと、心身ともに疲れてしまい色々な障害が起こってしまいます。
そんな時には、ストレスを溜めすぎず発散することが必要です。

まず、簡単にできる対策として、
・軽いスポーツをする
・睡眠時間を普段の1~2時間多く取る
・ゆっくりとぬるめのお風呂につかる
・オレンジなどのアロマを利用する
・友人や先輩に話を聞いてもらう

当たり前じゃん、と思われがちな内容ですが案外できていないことが多いようです。
そして一番重要な要素としては、『睡眠リズムを乱さない』ことが大切です。
GWは、レジャーや部屋での生活でいつもの生活リズムが崩れてしまっており、食べ過ぎたりや飲みすぎたりと、身体ともに負担がかかってしまっている状態です。
この生活スタイルの乱れによって狭心症や心筋梗塞などの『虚血性心疾患』を起こすこともめずらしくありません。(冬場だけの病気ではないんですね。)
ストレスや暴飲暴食、疲れを翌日に持ち越すなどの日常生活習慣の変調は、体にも大きく負担をかける要因となってしまいますので、毎日の生活スタイルを崩さないようセルフコントロールをしていくことで予防が可能になってきます。

当院でも、最近階段を昇ったら息苦しい・胸の痛みがあるという症状をお持ちの患者様が多く来院されています。
原因を調べる検査として、冠動脈カテーテル検査があります。
冠動脈カテーテル検査は、足の付け根や手の動脈から冠動脈と呼ばれる血管までカテーテルを進め、造影を行い冠動脈がどの程度細くなっているのかを調べていきます。
また、細くなり血流が阻害されているところにステントを留置し治療(冠動脈インターベンション)を行うこともあります。
この治療は入院して行われる治療です。
検査や治療の内容にもよりますが検査全体に要する時間は30分から1時間程度を要します。
心臓の検査ということもあり、不安を抱えた患者様や検査後に安静を要すため時にはイライラされる患者様もいらっしゃいます。
病棟スタッフも患者様に安心して治療や検査が行って頂けるようサポートを行っていきたいと思います

2階病棟でも、4月にローテーションがあり、新しいスタッフ2名も仲間入りをして新体制で動き始めたところです。
昨年入職したスタッフも日々成長し、色々なことができるようになってきました。
患者様のそばで一生懸命ケアをしている姿を見ていると、ほほえましくもあり、自分も初心を忘れてはいけないなと言い聞かせるいい機会にもなっています。
循環器病棟として、より専門的な知識や技術も必要になってきており、戸惑うこともありますが、医師による勉強会や指導のもと個々のスキルアップに頑張っていきたいと思います。
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