私が大切にしている看護観

今年度でみどり病院に入職し3年目を迎えました。以前は消化器外科・神経内科で勤務していました。私は、昔から人と話すことが好きで、一人一人としっかりコミュニケーションを取ることをとても大切にしています。以前は癌など終末期の看護にも携わりました。この患者様はどのように最期を迎えたいのか、今どのように感じ何を必要としているのか日々自問自答し関わっていました。

時には患者様や家族様の気持ちに感情移入しすぎて自分自身が精一杯になり、看護師としてどう関わればいいのか悩むこともありました。そんな時は、一歩落ち着いて物事を客観的に捉えるように心掛けたり、他のスタッフに思いを聞いてもらって自分の感情とも向き合うようにしていました。また、消化器外科の患者様は術後の経過が様々でしたが、ドレーンが抜け退院されていく姿や「あなたの笑顔に救われた。ありがとう。」と声を頂き嬉しかったことを今でも覚えています。

みどり病院で受け持ちさせていただいた患者様とのエピソードで思い入れが深いことがあります。Aさんは弁膜症の手術を受けられました。術後から積極的にリハビリに取り組まれいつも明るく「頑張らんとね。」と話される方でした。廊下ですれ違うときには声をかけたり、検温時にはニュースや前日の番組について話す度に「いつも気にかけてくれてありがとうね。」と話されていました。

しかし、なかなか機械が外れず同室者の方が退院される姿を見るたびに落ち込むと辛い思いを表出されることがありました。その際、思いを傾聴し手を握りながら、患者様が積極的にリハビリや食事摂取を頑張っている姿勢を私が患者様自身にお伝えし一緒に退院に向け少しずつ頑張りましょうと声をかけたことがありました。Aさんが退院の日、私は受け持ちではありませんでしたが出勤しているか探してくださり「あの日手を握って話をきいてくれて嬉しかった。すごく元気になったの。ありがとう。」と直接伝えてくださいました。手を握ること、肩に触れるなど日々の小さな関わりや思いは相手に伝わっていることを実感した出来事でした。

これからも多忙な日々の中でも声掛けや目を見て話すなど、人と人の温もりが伝わる「手当て」を大切にし、看護業務に取り組んでいきたいと思います。