手指衛生には『アルコール類による手指消毒』と、『石鹸を用いて手を洗う手指消毒』があります。COVID-19の発生にともなってアルコール消毒を街中で見る機会も多くなったと思います。医療機関やショッピングセンターなどでは入り口にアルコールが設置されており、また学校では手洗いを行うといったように手指衛生をおこなってから行動することが日常的な習慣となってきました。
消毒と手洗いはどちらが効果があるのか?そして感染が抑制できるのでしょうか。
◎アルコール消毒のメリット
- 外出先などでも簡易的に使用できる
- 速乾性がある、時間がかからない
- 手洗いよりも病原微生物(細菌、ウイルス)を不活化する力が高い
などです
△デメリット
- 必要量を使用し隅々まで消毒液が、いきとどかないと意味がない
- 細菌やウイルスなどの病原微生物には効果的だが汚れ自体は取り除けない
- 手荒れや乾燥が増える
◎手洗いのメリット
- 菌やウイルスだけではなく汚れも物理的に取り除ける
△デメリット
- 正しい手順で十分な時間をかけて手洗いをしなければ効果が不十分
- アルコール消毒よりも時間がかかる
効果的に行うには、手洗いの際には洗い残しが起こりやすい指の間や指先、親指の付け根や爪の間、手首もしっかり洗うように意識してみてください。そして、アルコール消毒は必要量をしっかり塗り込んで乾燥させること、乾燥することによってアルコールの効果が発揮されます。どちらにもメリットとデメリットがありますが、その場その場に応じて適切な消毒と手洗いを選択して行っていきましょう。
また、『5つ(6つ)のタイミング』といって推奨されている手指衛生のタイミングがあり
- 外出先から帰ってきた時
- 掃除やトイレの後
- 食事の前後
- 共有のものを触った時
- 咳やくしゃみ、鼻をかんだ時
などにするとよいと言われています。
新型コロナウイルスをはじめ各種ウイルス・細菌から自分自身を守ることはもちろんですが、大切な家族を守るために身近なところからできる感染対策を継続していきましょう。
そして、現状も未だ面会制限もあり患者様も様々な不安やストレスを抱えて入院生活を送られていると思います。私たち医療従事者も患者様に寄り添い、関わっていくよう心がけていますが、患者様にとってご家族の力はとても重要だと思っております。面会が可能になり安心して療養できるような日常が少しでも早く訪れてくれることを願う今日この頃です。