循環器疾患を学ぶなかで感じた大切なこと~大事な心臓を守る支えとなりたい~

昨年度より2階病棟に配属されて、1年が経とうとしています。私はもともと3階病棟に配属でしたので消化器科の患者様を看ることが多くありましたが、循環器疾患を看るのは初めての経験でした。心臓は血液を全身に送り出すポンプ機能の役割があり、生命を維持するために最も重要な臓器の一つです。しかし私自身、看護学生の頃から循環器の構造や治療について学ぶ中で難しく感じる場面が多く、苦手意識が強くありました。そのため今の病棟に配属が決まったときは少し戸惑いや不安もありました。しかし、循環器疾患・治療について深く知る良い機会が訪れたと前向きに受け止めることが出来ました。

入院される患者様は一つの疾患だけでなく複数の既往疾患がベースにあることがほとんどです。疾患一つを重要視するのではなく、既往によって病状の進行具合や治療方針等も変わってくるということに改めて気付きました。学生時代に関連図を必死に書き出していたこともこうして繋がるのかと再認識し、面白いものだなと感じました。

現在2F病棟では、心不全療養指導に力を入れています。心不全療養指導士を中心に、新規で入院された方や、以前から心不全の悪化で入退院を繰り返している患者様を対象に指導を行っています。

心不全は急性心不全と慢性心不全に分かれますが、心不全療法は主に慢性心不全の患者様を中心に行っています。慢性心不全は症状の増悪と寛解を繰り返すことが多いです。利尿剤や点滴加療により症状が改善したとしても、完治ではありません。これから先も病気と上手く付き合っていくことが大切です。

【心不全とそのリスクの進展ステージ】

指導をするにあたりまずは、患者様自身の現在の状況を聞き取りし把握します。そして治療の目標を立てます。病状から心不全のステージをアセスメントし、入院中だけでなく退院後の生活の中で心不全の自己管理を行うために血圧測定や食事・飲水等のどういった部分に気をつけていくべきか、心不全の症状や受診のタイミングなどを説明し、心不全の増悪予防や増悪した場合に早期に受診し治療が受けられるように指導をしています。また、病棟薬剤師、管理栄養士とも連携を図っています。栄養指導が入院中に実施され患者様の理解度に合わせて複数回行うこともあります。

患者説明を行い入院中から日々の記録を患者様自身に記載してもらいます。指導をして行く中で患者様から「毎日血圧を測って自分の普段の値を知る必要があるんですね、これは心不全の症状って初めて知りました。」と反応があり、指導の大切さを改めて感じました。

慢性心不全の治療は非常に重要ですがそれ以上に患者様によるセルフコントロールすることがとても重要です。息切れや浮腫みなどの症状が改善すれば完治したとはならず寛解状態となります。そのことを念頭に置き、これからも積極的に療養指導を行い、患者様のQOLを高めていくサポートができればと思います。その人がその人らしい生活を送るために看護師としてできることは何か?を日々意識し、病より人に寄り添った看護をすることができるよう、これからも頑張っていきます。

引用:心不全ダイアリー