2階病棟では、不整脈のエキスパートとして長く活躍されている足立和正先生が当院に着任されてから、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療の患者様が多く入院されるようになりました。
不整脈アブレーション治療とはアブレーション治療用のカテーテルを太ももの付け根から血管を通じて心臓に挿入し、カテーテル先端から高周波の電流を流して不整脈の原因となる部位を焼灼することで、心房細動やその他の不整脈を治療する方法です。
不整脈の種類にもよりますが、治療にかかる時間は大体2~4時間程度です。身体に負担がかからないよう局所麻酔や静脈麻酔で行われます。
当院では治療前日から入院し血液検査、レントゲン、12誘導心電図を行い、問題なく治療が行えることを確認してから病棟内で太ももの付け根など穿刺部位の剃毛や治療前日からの点滴ルートの確保を行い、治療当日に向けて準備をしていきます。
不整脈に対して、初めてのアブレーション治療で治癒する方もいれば、半年後に不整脈が再発し再度アブレーション治療をする方もおられます。アブレーション治療で入院された患者様は原則同じクリニカルパスの流れに従って入院中の治療を進めていきます。
看護師として、クリニカルパスに沿って、過不足のない看護処置を行いつつ、それぞれの患者様に対して臨機応変な対処も行います。患者様によって、ご自分が受ける治療に対する気持ちは様々で「まな板の上の鯉だと思って、なるようにしかならないと治療はお任せします。」と受け止める方もいれば、「初めてこういった治療で入院します。いままでこんなことなかったから不安で、不整脈のせいで自分の心臓に負担がかかっていたなんて知らなかった。」など不安や心配を吐露される方もいて、お一人お一人の気持ちに合わせて担当看護師は寄り添うようにしています。
お一人お一人、症状だけでなく、心臓以外の合併症や、家族や仕事などの社会背景、そして時には人生観や宗教観など、多様な思いを抱えた患者様がおられます。不整脈のアブレーション治療入院は数日間と短い間ですが、私たち看護師は患者様ご本人の思いを傾聴し、不安や心配事を少しでも減らせるように心がけています。
患者様の中には、ご自分の分からないことを沢山のメモに書いて、看護師や医師に質問される方もいらっしゃいます。そういった質問には、一つずつ丁寧に説明を行い、治療に対して「こんな状況になるなんて知らなかった、聞いていなかった、想像してなかった。」なんてことにならないよう日々、努めています。
アブレーション治療の詳細(メリット、デメリットも含め)は医師から詳しく患者様にご説明しますが、私たち看護師もアブレーション治療の専門知識をつけて看護にあたるように日々学んでおります。
今回はアブレーション治療を中心に、私たち看護師が日々の看護で心がけ大切にしていることをご紹介しました。この患者様ファーストの看護師魂は、アブレーション治療だけに限らず、当院の看護師全員に共通しているものだと思います。2階病棟は「良い看護は良いチームワークから」を合言葉に、これからも患者様の気持ちに寄り添って日々の看護に励んでいきます。
何かわからないことや不安なことがあれば、お気軽に担当看護師に相談してください。入院治療の間、真心を込めて全力でサポートをして参ります。