2013年の春、私は希望と不安の中、新生活をスタートさせました。
みどり病院で働き出して、はやいもので約5年が経とうとしています。
もともと塗装工という医療とは関係のない仕事をしていましたが、「いつまでもこの仕事を続けられるのか?」「何か資格を取って一生働ける仕事はないのだろうか?」という考えがあり、いろいろ調べてみました。
そんな時、母は私が小学生の頃から仕事に就きながら看護師学校に通っていたことを思い出しました。
人と関わることが好きで、看護師の資格があればいつまでも働けるのではないかと思ったのです。
塗装の仕事が終われば家で勉強し、休みの日は1日図書館にこもって勉強し、准看護学校を受験しました。
そんな努力の甲斐あって、准看護学校に合格することができました。
しかし、准看護学校に合格したものの学校に通いながら勤務できる職場は少なかったです。
そんな中、みどり病院では、准看護学校の授業に合わせた変則的な勤務体系を組んでくれて奨学金の援助もしてくれるというではありませんか。
こうして私の学生とみどり病院での仕事との両立生活がスタートしました。
3階病棟の看護助手として患者様の身の回りのお世話をさせてもらう中で、授業で教わったシーツ交換や、手浴などを実際に患者様に実践する機会をつくってもらうこともありました。
その他にも仕事をしながらではないとできない体験をたくさんすることができました。
初めは、看護師は女性が多くて馴染めるかも心配でしたが、いざ働いてみると「男性だから」という気持ちになることも無く、スタッフも患者さんも自然に接してくれました。
初めは女性が多い職場でやっていけるか不安な部分もありましたが、男性でも看護師として病院で働けるんだと思うことができました。
また、病院で働く先輩看護師を見て「自分もいつかこうなるんだ!」と気持ちを高めていました。
2年の准看護学校が終わり、今度は准看護師として働きながら、正看護師を目指すための学校に通うことになりました。
患者様と専門職としての立場で向き合うということに、当初は戸惑いましたが、プリセプター制度により先輩看護師に1つ1つ丁寧に指導していただきながら、少しずつ准看護師という仕事に慣れていくことができました。
3階病棟では週に1度、消化器外科の医師が中心となり、消化器カンファレンスというものが行われます。
学校の授業に加えて、実際の患者様の疾患や症状、治療などにあわせて学ぶことができ、看護学校での臨地実習や国家資格試験に大いに役立ちました。
みどり病院と学校の往復が続き、ついに看護師国家試験を迎えました。
試験後はスタッフのみなさんや、時には患者さんが結果を気にかけてくださり、「大丈夫」「合格しとるわ」等の応援の言葉をたくさんいただきました。
そしてこの度、看護師国家試験に合格することができ、4月より晴れて、正看護師としてみどり病院で働くことになりました。
循環器疾患の患者様が多く入院され、心臓カテーテル検査や、心臓外科手術など循環器に関わる治療が行われている2階病棟に配属となりました。
“循環器”という言葉を聞いただけで「心臓=命に直結」「急変などで迅速な対応が求められる場面が多くあるのではないか」などと緊張しましたが、しっかりと学習をして看護を提供できるように頑張りたいと思います。
今まで私を応援して下さった分、今度は私がみどり病院の一員として、患者さんやその周囲の人たちにとってよりよい看護を提供することで恩返しをしていきたいと思います。
看護師国家試験の合格はひとつのゴールではありますが、医療というものは常に進歩していきます。
私も日々学習を続けていかなければいけません。
これから循環器病棟の看護師としての新たなスタートを切ろうと思った2018年の春です。