はじめてのTQM活動~みどり病院の質を向上するために~

みどり病院の理念に、「地域の人々が健やかに安心して暮らせる医療環境づくりに貢献します」とあるように、私たちスタッフ一同は日々努力しています。
スタッフひとりひとりの行動、各部署における行動が、みどり病院の医療サービスの質に関わっています。

かつて、戦後の産業界はいち早い復興をめざすために、安くて品質の悪い製品を海外に輸出していたため、評判は悪く、品質面の向上が課題となっていました。
しかし、1950年代に品質管理(Quality Control)の研修会が、日本で行われたことを契機に、トップダウン型の品質管理活動に加えて、現場第一線で働く人たちの品質管理活動が加えられ、日本独自の品質管理活動として生まれました。
その活動が、世界各国へ広まり、第1次オイルショック以降、日本製品の優秀さが認められるようになったのです。
日本における企業・団体への品質管理の導入・普及が進み、製造業における品質管理のみならず、サービス業などの様々な業態に適応できるように考えられた取り組みがTQMです。

TQMとは、Total Quality Management(全社的品質管理)の略で、医療現場においては、「病院全体で医療サービスの質を向上・維持させる」ことです。
病院全体(医局、看護部、放射線科、検査科、リハビリテーション科、栄養課、地域連携課、医事課の各部署)が、医療サービスを提供するプロセスの中で、改善点を見直し、解決していくことで医療サービスの質を向上していく取り組みです。
日々の業務の中で、問題意識を持ち、何を改善するべきなのか、現状を把握し、改善策を立て、実施し、維持していくことが重要です。

本来なら、病院全体で取り組むべきものですが、今年度は初めての試みということもあり、看護部のみで取り組むことになりました。
外来、透析、2階病棟、3階病棟の各部署の中で、3~5人の小集団のグループに分かれ、日々の業務の中で気づいた問題点をテーマに業務改善策を考え、実施し、業務のムダやムラをなくしたいと考えています。
例えば、どのような改善事例に取り組むのかというと、3階病棟では「医療廃棄物を正しく分別して、廃棄物の削減と廃棄物処理袋・箱の使用数を減らし、コストを削減する」、「予約入院を午前中にし、時間外業務、残業を減らす」、「誰でもできるベッドコントロール」といったものです。
また、この取り組みをグループで行うことで、個人の能力の向上、リーダーシップの育成、生きがいのある明るい職場づくり、病院の体質改善と発展に寄与することも目的としています。

そして、最終的には、グループで取り組んだ成果を発表します。
来年の3月に、それぞれのグループがどのような成果を発表するのか楽しみです。