胃腸の病気について

皆さん、こんにちは。私は消化器内科、消化器外科の病棟に勤務している一看護師です。今回は、お腹の病気の1つについてお話したいと思います。胃腸炎です。お腹を壊してお医者さんに「腸かぜですね」と言われたことがある人もいるでしょうが、あれとは少しちがっています。

【胃腸炎とは】

胃・小腸・大腸に生じた炎症のこと。大きく分けて、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎があります。
原因として、ウイルス性胃腸炎はノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが胃腸に侵入し、胃腸の働きを悪化させることで発生します。人から人へ感染する場合は、感染者の嘔吐物・便を触った手を介しての感染が多いが、乾燥した嘔吐物から飛散したウイルスを吸い込んで感染してしまうケースもあります。次に食品からの感染は貝類によることが多く、汚染された二枚貝を十分に加熱せず食べることで発生します。ノロウイルスは少量でも感染力が非常に強いという特徴があり、例年冬になると発生のピークを迎えます。

一方、細菌性胃腸炎はサルモネラ菌(卵、鶏肉など)カンピロバクター(豚肉、鶏肉)があり、カンピロバクターの感染が最も多く夏季に発生しやすいです。生の肉を触った手で調理をしたり、十分に火を通さない肉を食べたりすることで発生します。これからの季節は、注意が必要ですね。生ものは十分に加熱してから食べてください。

症状としては、ウイルス性胃腸炎は突然の嘔吐で始まることが多く、24~48時間くらいで、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状が現れます。ただし、症状が回復した後も1週間程度は便に混じってウイルスが排泄される可能性がある為、二次感染に注意が必要です。学校や会社等の施設で集団感染を引き起こす可能性があり、特にノロウイルスは少量でも感染力が非常に強く診断がついたら家族や周囲の人への感染を予防する対処も必要になります。症状がある間は浴槽に入らずシャワーのみにする。もしくは最後に浴槽に入るなど家族への感染予防にも留意してください。

体力のある方や軽症の方は自宅で療養できますが、私の勤務する病棟でも感染性胃腸炎で入院される方もおります。隔離しますのでもちろん私たちも院内感染が起こらないよう感染防御を実行しています。TVでコロナ病棟で見かけるあの格好に近い姿で(もうちょっと軽装ですが)やはり暑苦しいです。脱ぐとすっとします。私自身も感染の方の入院の度に頭の中でシミュレーションしています。こんな私ですが、体力の続く限り頑張ろうと思っています。これからも、宜しくお願いします。ありがとうございました。