看護の力を大切に

私は看護師3年目で去年の8月に入職しました。経験年数が少ないうちでの転職、また以前は整形外科の病棟に勤務しており、
消化器外科の経験は全くなかったのでとても不安でした。
実際に働き始めると初めてのことばかりでいっぱいいっぱいの毎日でした。
それでも先輩方は皆さん優しく初めてのことは丁寧に教えてくださるので毎日楽しく働くことが出来、
新しくできる事が増えると今でもとても嬉しいです。

そんな日々の中でも私は「看護の力」を大切にしてきました。
学生の頃や新人時代に川嶋みどりさんの「看護の力」という本を読み、
私も川嶋みどりさんのような患者様の全身をみて細やかなことに気付き、
それを改善できるよう自分なりに考え、行動出来る看護師になりたいと思ったからです。

働き始めた中でも印象に残っているのは私が転職してきてすぐのこと、
コルセットを着けてリハビリも頑張っていらっしゃる患者様のお話です。
その方は痒みが強く身体中に搔き瘢があり、毎日かゆみ止めを塗っていました。
ですが、なかなか治まっていませんでした。

ある私が担当になった日、蒸しタオルを作り清拭をしてから薬を塗ることにしました。
蒸しタオルをじっと当て身体を温めてから清拭するとぽろぽろと本当にたくさんの垢が落ちてきました。
それを全て拭き取ると薬を塗る前から患者様は「痒みがなくなりました。」と話されたのです。

投薬など直接的な治療だけではなく、少しの工夫やその人に合わせたケアの方法を考え、
実践する看護の力で安楽な状態を得られることもあるとこのとき改めて実感しました。

これからもそんな看護の力を大切に、更に知識を増やし経験を重ね、
患者様により安心安楽な入院生活を過ごしていただけるよう努力していきます。