思い返すと2019年の12月にコロナ感染者が発見され、パンデミックといわれる世界的な流行となりました。2023年の5月に5類感染症に分類され、未知の感染症の恐怖を感じた2020年当初から、日常診療の中で対応するインフルエンザのように特別扱いをしないようになった。
しかし、様々な患者様が入院される実際の病棟では、どこの病院でも入院後の発熱や咽疼痛を契機にコロナ陽性を検出することがしばしばあります。私たち3階病棟は地域包括病棟であり、ご高齢の方が多く入院されています。その中でコロナ陽性が検出された場合、他の患者様に感染しないように数日間の隔離が必要です。
しかし、隔離をすると、患者様の入院生活の景色もガラッと変化し不安に感じられる方が多いです。さらに、認知症のある患者様は隔離の必要性を理解することが難しいと感じます。人とのかかわりが大きく減ってしまう隔離期間中に看護師の私たちが出来ることはなんだろう?と、いつも考えて行動しています。
隔離されている中での私が出来る看護の範囲は通常業務よりも狭まってしまいますが、患者様の状態を観察しケアをし、清潔な環境を保ち、時には励まし寄り添うことを大切にしています。少しでも患者様の心の支えになりたい、その一心です。
私も看護師として働く中で、立ち止まることやつらく思うこともありました。そんな時、患者様が私の些細な表情の変化を感じ取り、優しく抱きしめてくださったことがありました。日々、周りの方々や患者様に育てられ、看護師という立場で頑張れています。成長させてもらいながら私も次の患者様にそれを返したい。そう思って毎日仕事をしています。
隔離期間を少しでも安心して入院生活を送っていただけるように、これからも患者様に寄り添うことのできる看護師でありたいです。