ブランクを乗り越えて

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今回は、ブランクがあっても、みどり病院で活躍している看護師を紹介いたします。

看護師を目指した理由は、「人の役に立ちたい」、「手に職をつけたい」、「医療の現場で活躍してみたい」など人それぞれだと思います。
学生時代には、勉強と実習の経験を重ねる中で看護師という職業に対する誇りが生まれ、国家試験合格に向けての猛勉強。
晴れて看護師になれた喜びの中での現実の厳しさ。
その中で先輩看護師や患者様から多くのことを学び、成長していく職業です。

結婚や出産があってもブランクなく働き続けている人もいますが、何らかの理由でいったん退職した人も多く、看護師の資格を持ちながら仕事に就いていない「潜在看護師」が全国で70万人。
働く看護師の数が150万人であることを考えると、何とその半数に相当する有資格者を活用できていないのが実情です。
この潜在看護師を何とか掘り起こし、看護師不足の改善に努めていこうと、2015年10月から「ナースセンターの届出制度」が義務化されました。
再就職するときの不安を少しでも解決し、「ともに学び、ともに分かち合う」ことでサポート出来ればと思い、みどり病院でも数年前から復職しやすい体制を整えてきました。

ブランクのある看護師の入職者は、当院でも外来、病棟で頑張っています。
2年前に入職し、現在病棟で勤務中の一人を紹介します。

Hさん(38歳)ブランク歴16年

私は、看護師の経験を積むことなく結婚し3人の子を出産。
結婚後、夜間のコンビニや工場など職種は全くこだわらず働き、とにかく子供中心の生活を約16年続けました。

2年前、中学2年生の長女と進路について考える機会が増えた時期がありました。
その時ふと、大人になった子供たちの横で、私は何をしているのだろうと考えました。
そして、時間が経つにつれ子供たちが仕事を持った時、家庭の中の主婦でなく、私も社会に出ていたいと思い始めました。
ですが16年の間、医療現場とは無縁の一般人だった私に自信などあるはずもなく、まずはインターネットで見つけた看護協会の復職セミナーへ参加。
その時、みどり病院の募集を知りました。

恐る恐る電話をすると、すぐにお話を聞かせて頂き、みどり病院内の復職研修にも参加することになりました。
看護部長はじめ看護スタッフの方から「ぜひ子育てを大切にして下さい」、「ゆっくりで良いです。あなたのペースで成長して行って下さい」と掛けて頂いた言葉に、息が詰まりそうになる程の不安と緊張が少しずつほぐれ、就職を決断したことを覚えています。
しかし、いざ就職したものの最初は医師や看護スタッフの会話が全く聞き取れないし、処置や看護以前に、物の名前一つ分からない有り様で、何回も何回も教えてもらいながら、少しずつ出来ることが増えていきました。

午前パートから始めて日勤パート、そして今は日勤常勤としてもうすぐ2年目を迎えます。
本当に難しい事ばかりで心折れそうな日もありますが、自分の学んだ一片一片がつながり、患者様へ看護として返せた時、やっぱりもう少し頑張ろう!と、また前を向くことが出来ます。
人一倍、時間が掛かると思いますが、これからもベテラン看護師の方々にたくさん教えて頂きながら、看護師として成長していきたいです。