ASO(閉塞性動脈硬化症)とは
閉塞性動脈硬化症は、手や足の血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして、血液の流れが悪くなり、手先や足先へ栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる病気で、手足にさまざまな障害が現れます。
主に足(下肢)の動脈に動脈硬化が起こり、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。
症状がひどい場合は、壊死などを引き起こし、切断しなければならないこともあります。
また、閉塞性動脈硬化症のある方は、下肢の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化が進行している場合がほとんどです。
心臓の栄養血管である冠動脈疾患の合併症が3割、脳血管障害の合併症が2割の人で認められます。
ASO(閉塞性動脈硬化症)の症状
歩行障害が最も典型的な症状で、間歇性跛行(かんけつせいはこう:常時ではなく、一定の間隔をおいて、症状が起きたり、起きなかったりして、正常な歩行ができない状態)と言われます。
この歩行障害は、閉塞性動脈硬化症患者の約3割に起るといわれています。
歩行をはじめ下肢の運動を行うことで下肢(股関節から足首まで)、特にふくらはぎ(症状が出やすい)に疲れやだるさ、痛み、こむら返りなどの症状が起こり歩行困難になります。
ただし、こうした症状は、10分ほど休むと組織に栄養(酸素)が行き渡り、軽くなるか、なくなります。
また、安静時に四肢(手先や足先)が冷感やしびれを感じることもあります。
透析治療を受けている方では、透析中、血圧を維持しようとするために血管抵抗が上がり、血流が不足して、ふくらはぎのだるさや痛み、こむら返りなどを起こすことがあります。
ASOによるこのような症状がある方は、末梢の血流不足により、潰瘍や壊死が起こり、そこから感染する可能性が高くなるため、予後は比較的よくありません。
ASO(閉塞性動脈硬化症)のリスクファクター
閉塞性動脈硬化症は、50歳以上の男性、特に喫煙者に起りやすいといわれています。
図1に示す方は要注意です。
また、透析療法を受けている方は、高血圧症や血管の石灰化による動脈硬化が起きやすいため男性、女性を問わず注意が必要です。