心胸比って何?(心不全管理の大切さ)

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心胸比とは、胸部レントゲン撮影で、胸郭(胸)の最も広い部分(胸郭幅)の長さ【正中線から右胸郭計測点までの長さaと正中線から左胸郭計測点間での長さbを足した長さ】と心陰影(心臓幅)の最も幅の広い部分の長さ【正中線から右心臓計測点までの長さcと正中線から左心臓計測点までの長さdを足した長さ】の比です。
心胸比は心臓の拡大の程度を簡単に知ることができる便宜的な方法です。

心胸比の基準は50%以下が正常とされておますが、撮影条件や呼吸の状態で多少の誤差は生じます。
また、各個人により正常心胸比は異なります。
水分や塩分を摂り過ぎると体重が増加して血圧が上昇するため、心胸比は増大します。

透析療法治療において過剰な水分を除去することが大切であり、透析終了後の過剰な水分が残っていない状態の体重を基準体重(ドライウエイト:DryWeight)と言い、透析終了後の体重として設定します。

心胸比は透析患者様の基準体重を決める指標の1つであり、過剰な体液量により心胸比が増大している場合には基準体重を減らすことになります。

心不全管理の大切さ

心不全を悪化させない日常生活を送ることが大切です。
まず自分の病気の状態についてよく理解し、毎日の体重測定、塩分や水分の制限、服薬等、病院で指示された自己管理をしっかり続けることが何よりも大切です。
また、高血糖、高血圧、脂質異常等でも心臓に負担がかかります。
生活習慣を管理できれば、症状が改善することも期待できます。
一人では管理が難しい場合にはご家族の力を借りたり、高齢の方の場合には生活支援サービス(民間、公的を問わず)を利用する等の対策を検討しましょう。

また、心臓の機能が弱まってくると、からだに水分がたまりやすくなり、その結果体重が急に増えてしまいます。
体重は毎日だいたい決まった時間に測ることをお勧めします。

塩分は、からだに水分がたまりやすくしたり、動脈硬化を進行させたりします。
心臓の機能が低下している患者さんは特にからだに水分がたまりやすいため、心臓へ負担を軽減するために、塩分と水分を制限します。
また、糖尿病や高血糖がある場合や、肥満により心臓に負担がかかっている場合は、カロリー制限も必要になります。
何をどれだけ制限するかは、心不全の状態によって変わります。
医師や栄養士、看護師の指示に従い、しっかりと食生活を管理しましょう。