血液検査の見方

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みどり病院では透析状態や身体のスクリーニングとして月に1回(貧血や血糖の検査は月に2回)行い、以下の事を評価しています。

1. 貧血の状態

赤血球数(RBC)、血色素(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、血清鉄、網状赤血球、など

2. 炎症の有無

白血球数(WBC)、白血球分類、CRP、など

3. 栄養状態や肝機能

血清総蛋白、アルブミン、総コレステロール、中性脂肪、GOT、GPT、γ-GTP、LDH、血糖、など

4. 腎機能や透析効率

BUN、クレアチニン、カリウム、ナトリウム、クロール、カルシウム、リン、など

透析患者さまと健康な方とでは検査の正常値が異なります。
健康な方の腎臓は24時間機能しており、常に毒素の排泄や水分コントロールを行うことで身体のバランスを整えているのに対し、透析患者さまは、前回お話したように、腎臓の機能が悪いために毒素や水分を排泄することが出来ず、徐々に身体に蓄積されます。
透析前の血液検査は毒素が溜まった状態であり、上記4のBUN、クレアチニン、カリウム、カルシウム、リンは高値を示します。
それを2~3日に1回、4~5時間かけて溜まった毒素を透析で抜くため、透析後の血液検査では正常値もしくは低値となります。
このように透析患者さまは透析で毒素を低くして次回の透析まで上昇するというサイクルを繰り返します。
この振り幅が大きいと身体のバランスを崩し、不調を訴える方が出てきます。
この身体の不調を出来るだけ抑えるため、各患者さまに合わせた透析膜、透析時間、透析方法などを変えていくことにも血液検査での評価が必要となります。
また必要に応じて食事指導、水分制限といった指導を行っています。
透析は患者さまにとって生活の一部であり、よりよい生活を送るために日頃の節制のアドバイスを行い、透析ライフをエンジョイできるよう支援しております。