シャントってなに?(シャントの管理は?)

血液透析をするにあたってとても大切なシャントについて説明させて頂きます。
血液透析では1週間に体内で生じる老廃物を週3回、1回4時間程度の透析で浄化しなければなりません。
老廃物を血液から効率的に除去するためには、比較的大量の血液を体外に循環させる事が必要です。
そのため、通常は内シャントとよばれる手術を行います。

この内シャントとは、動脈と静脈をつなぎ合わせ透析時に皮膚から穿刺しやすくし、また、たくさんの血流を確保するための方法です。
しかし、このシャントは、本来なかった血液の通り道を人工的に造っているので、詰まってしまう事があります。
これをシャントトラブル、又はシャント閉塞といい、処置で対応できない場合は再手術となります。
その大きな原因は、動脈硬化、低血圧、感染、シャント部位の圧迫等があげられます。
10年以上つまらない事もありますが、長期になればなるほど劣化して詰まりやすくなります。
また、発達が悪く、造ってもなかなか使えない事があります。
そこで、この大切なシャントの管理方法について、かんたんにご説明いたします。

①一番大切なことは、シャントをご自身で観察する事です。
シャントの音を聴くということがとても大切になります。出来ればご自身で聴診器を使って観察することをお勧めします。聴診器でシャント音を聴いたとき、「シャンシャン」「ヒュンヒュン」という音がしたら正常です。高調音、ピッチの高い音になってきたら要注意です。シャントの流れが弱くなってきています。血管の通りが狭くなってきている可能性があります。また、目で見ること、触ってみる事も大事です。赤く腫れてないか、血管が硬くなっていないか、日々の観察が大事です。

②感染しないよう常に清潔を保つ。
皆さんもご存知のように、透析の際に使用する針は大変太いものです。止血後に針穴から血が噴出すといったことも、透析フロア内で何度か見かけることがあると思います。そのため、その針穴からバイ菌が進入し、そこから感染症を発症することがあり、そういった事例は珍しいことではありません。そのため、透析前には手洗いを行います。特にシャントの部分・針を刺す腕をしっかり洗います。その後、透析を終えたその日の入浴は、針穴からのバイ菌の侵入を防ぐために控えます。

③シャント側の腕に重いものをぶら下げたりしない。シャント側の手枕はしない。
つまり、シャント側の腕に負担をかけないことが大事です。重いものを持ったり、手枕をしたりすると、シャント部を圧迫して血の流れを悪くしてしまい、シャント閉塞の原因になるからです。ほかに、シャント肢に腕時計をしない、血圧を測らないといった注意が必要です。

もちろん、私たち透析スタッフは、透析ごとに観察していますが、ぜひご自身でも実施なさってみてください。