「家族のようなぬくもりを」のコンセプトの元、みどり病院透析室は患者さんと関わっています。
そして、私のモットーは、元気印です。
「おはようございます」
毎日、朝から元気よく笑顔で挨拶を交わし続けること、はや20数年。
毎日絶やすことなく実行してきた私の日課です。
「あんたは、いつも元気やな~」私にとっての最高の褒め言葉です。
月日が経つのは早いもので長い年月の経過と共に、多くの出会いと別れを経験してきました。
年齢的に丁度、父や母と同年代の方々がいらっしゃり、今も一緒に時を刻んでいます。
毎日長い透析時間を少しでも楽に過ごして頂こうとおしゃべりをしたり、見ているテレビを覗き込んで話題に参加したりする事で、気分転換になればと思っています。
また、透析中くつろいで頂いているばかりではなく、患者さんの変化を見逃すことなく、日常生活についての指導やアドバイスも行っていけるよう気をつけています。
その最中に熱がはいりすぎてしまう事もしばしばある毎日を過ごしています。
そんな私が、最初からこのような「家族のようなむくもりを」という感情を持って患者さんと関われた訳ではありません。
私は当院に来るまでに二つ、三つの病院の透析室の勤務経験がありました。
当然、それぞれの病院に於いて、多くの患者さんと関わってきました。
年を追うごとに自身のスキルも上がりそれなりの自信も付いてきていました。
その当事から患者指導も行っていましたが、今振りかえって思うと、今まで行ってきた指導は、教科書にように機械的な通り一遍の指導ではなかったのではないだろうか。
傲慢になり、言う事は言った、実行するかしないかは患者さん次第!と思っていたのではないだろうか。
冷たい冷徹なスタッフだったのでは。とふと振り返ることがあります。
このように患者さんを家族のように思い、業務に携われるようになったのも、みどり病院透析室に勤務したからこそだと思います。
みどり病院に来た当初、スタッフ皆が患者さんとの距離が近いことに驚きました。
それは、私が就職して間もない頃、1人の入院患者さんが透析を拒否されました。
もう高齢で長年透析をしてきてもうええやろ。といったように毎回の透析もしんどく、透析を拒否されました。
病棟看護師から、SOSがはいり透析室スタッフがその患者さんの元へ向かいました。
ものの5分ほどでその患者さんは、透析を受けに透析室にやってきました。
その出来事にも驚きましたが、その患者さんの今後の透析について、担当医と話し合い、御家族とも納得行くように話し合いをされていました。
今まで私はその様な経験がなく、衝撃と感動をおぼえました。
このような事がみどり病院では日常茶飯事に行われていました。
私は、みどり病院のコンセプト「家族のようなむくもりを」を肌で触れて感じてただただ、呆然とするばかりでしたが、今の私自身の役割としてそんな風に患者さんやその後家族に接する事ができているだろうか?
かつての私のようにすべての患者さんに対して、あしらうような態度ではなく、今のような「家族のようなむくもりを」を思いながら接しているだろうか?
ご本人にも、御家族にも、「安心」して透析を受けていただけるように、この病院に来て良かった、と思って頂けるような関係が築けるように、時には優しく、時には厳しく、たくさん話して、泣いて笑って、時にはけんかしながら一生懸命関わっていきたいと思います。
私が受けた衝撃、患者さんに対するぬくもりを次の世代のスタッフへ伝達する役割を持って患者さんやそのご家族に関わっていきたいと思います。
そして、患者さんを不安にさせないように、自分の元気を分けてあげられるくらいの気持ちで接することをさらにのモットーに、頑張って行こうと思います。
今日も元気よく「おはようございます!」と、透析を開始していきたいと思います。
そして帰りには「お疲れ様でした」と笑顔で、労をねぎらってあげたい。
そんな自分でありたいと思います。