人工透析をお休みできない?! ~週3回の通院治療が必要な理由とは~

近年異常気象が多く、大雨や台風、最近では大雪などがあり、生活にも大きく影響が出ています。不要不急の外出を控えるよう、呼びかけがされて学校も休校など出されました。
しかし末期腎不全のため透析をしている患者さまには、残念ながら週3回の通院治療にお休みがありません。

透析導入したばかりの患者さまから、時折こんな声を聞きます。
「祝日はお休みですよね。」「お正月は病院休みだから透析も休みでしょ?」「旅行に行くから透析は出来ないので、しばらくお休みできるかな」
いえいえ。残念ながら透析にお休みがありません。

元々、人間の腎臓は24時間365日休みなく働き、体の不要な毒素、水分を尿として体の外に排出します。末期腎不全のために腎臓の働きが弱くなると、これらの役割を十分に果たすことができず、体の中に毒素や余分な水分が蓄積し、生命維持に支障をきたしてしまいます。

そのため働きが弱くなった腎臓の代わりに、血液を体外に出して毒素や余分な水分を除去する血液透析(いわば人工腎臓の役割)を行う必要があります(腎不全に対する腎代替療法には他に腎移植や腹膜透析がありますが、多くは血液透析です)。血液透析は、基本的に週3回、病院に通院して行う必要があります(透析日の間隔は長くて中2日、人にもよりますが、それ以上間隔を空けると毒素や水分が溜まって危険です)。

ゴールデンウィーク、お盆、お正月、雨、雪でも休みなく透析へ通院する必要がありますし、病院側も透析室は長期休業なく年中開いております。
この様に、生命維持のために通院を休む事の無い透析治療を継続していく上で、「その透析施設(クリニック、病院)に、無理なく日常的に通うことが出来る」と言うことは、とても重要です。

病院の規模、設備なども大切ですが、自宅から無理なく通院できるのかということを考えなければなりません。当院では無料の送迎バスがあり、乗り合わせで自宅と病院の往復を送迎しております。また、車椅子の方も送迎バスに乗車することができます。

腎不全の方にとって、日々の生命維持に直結し、長い付き合いとなる透析治療は、ライフスタイルの中で無理なく通院できる透析施設を選ぶことが大切ですね。