心臓弁膜症センター立ち上げ時の思い出

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みどり病院では、岡田先生を迎え、心臓弁膜症センターを2013年4月に立ち上げました。
勿論それまでは、物理的にも人材的にも心臓の手術ができる環境ではありませんでした。

心臓弁膜症センターを立ち上げるために手術室を増設しハード面を整え、並行して看護師、臨床工学技士、検査技師も専門的な勉強を深めていきました。直接手術に立ち会う看護師、臨床工学技士は準備時期に他施設を見学(実際の手術やICUでの術後受け入れ等)、業者からの機器説明や勉強会、手術器械や消耗品の説明、岡田先生からのレクチャーなど準備期間を経て、いよいよ2013年7月から心臓血管外科の手術を開始しました。

開始当初は、見学でお世話になった施設から看護師、臨床工学技士にわざわざ来ていただき手術の準備から手術の手順に至るまで一から指導していただきました。それからは、一例一例がすべて勉強で、スタッフみんなで「前回は大動脈弁だったけど今回は僧帽弁と三尖弁だから心筋保護が違うね」とか「前回生体弁だったけど、今回は機械弁だったね」など手術の準備時や、手術が終わって後片づけをしながら振り返ったりしました。それから、外部研修にも参加し人工心肺や心臓手術の術式についても学び、スタッフ皆がやる気を持って前向きに取り組んできました。

心臓弁膜症センター開設当時の手術室スタッフは、心臓手術経験者がいなくて、ゼロからのスタートでした。岡田先生の人柄と、たくさんの方々のお世話になりながら2年5か月が経過し、症例も100例を超えました。
みどり病院は、心臓弁膜症センターですが、虚血性心疾患に対する冠状動脈バイパス術、心房細動に対するメイズ手術も行っています。

毎週水曜日が心臓血管外科の手術日になっているので、月曜日に術前カンファレンスを行いチーム全体で患者様の情報を共有し、術式(手順)をしっかり確認し手術に備えています。
術前カンファレンスについては、またの機会にお話させていただくことにしましょう。

冒頭のモニター写真は、岡田先生のお得意な僧帽弁逆流症に対する僧帽弁形成術の術中の様子です。
小さな病院ですが、チーム一丸となって協力し心臓弁膜症センターが地域の方々の心臓病治療のお役に立てるよう努力していきたいと思います。

▲写真は、開設当初の手術室の様子
看護師も臨床工学技士も横で指導を受けながら技術を磨き、知識を重ねてきました。