皆さんは手術室看護師にも手術室以外の場所でのお仕事があることをご存知でしょうか。
それは術前訪問です。
術前訪問とは文字通り「手術を控えた患者さんのもとを事前に訪れる」ということです。
当院では全身麻酔、脊椎麻酔で手術を受けられる患者さんを対象に行っています。
手術室はマスクをつけ、帽子をかぶり、手術用の服に着替えた医師・看護師、そして医療機器に囲まれており、病棟とは雰囲気が大きく異なります。
そのため、多くの患者さんは不安を抱えた状態で手術室に入室します。
手術室看護師による術前訪問の1番の目的は、患者さんと面識を得ることで、手術室入室時の不安感を和らげることです。
非日常的な雰囲気の中にも知っている顔があると、ほっと安心するものです。
では、実際の術前訪問の流れについてです。
まずは、患者さんに関する情報を収集します。
術前訪問は、患者さんに適した看護を行うための情報収集を行うことも目的の1つです。
カルテから、手術に至るまでの経緯、今までにかかったことのある病気、バイタルサイン、採血データ、内服の内容などの情報を得ます。
そして、患者さんのベッドサイドを訪れてお話しをします。
「こんにちは、明日の手術を担当する看護師の○○です。」と笑顔でご挨拶します。
手術の内容、麻酔の内容に応じた用紙に沿って、手術室に入った時から病棟に帰るまでの流れを話します。
そして、アレルギーの有無や体に痛いところがないかなど、直接患者さんからも情報収集を行います。
私は術前訪問の最後に「何か気になることや質問はありませんか?」と伺います。
多くの患者さんが「お任せするだけです。」や「まな板の上の鯉です。」と話されます。
手術室看護師としては、ぜひ小さなことでも結構なので、疑問や不安を解消して手術を受けて頂きたいなと思います。
ベッドサイドでのお話が終わったら、伺った内容を、看護計画にまとめます。
一緒に手術に入るメンバーと情報共有できるように、手術前に声をかけて、患者さんをお迎えする準備をします。
以上、手術室以外でのお仕事、術前訪問の紹介でした。
あまり有名なお仕事ではありませんが、事前に情報をまとめ、患者さんに応じた準備を行うことで、当日の手術がスムーズに進行するかが決まる、大切なお仕事です。
皆さんがもし手術を受けられる時は、術前訪問に訪れた手術室看護師に心配ごとを相談してみてくださいね。