前回、手術室看護師のお仕事の~外回り看護師編~をご紹介したので、今回は~器械出し看護師編~をご紹介したいと思います。
解りやすく言うと、手術に使うメスや鑷子(医療用のピンセット)などさまざまな器械を外科医の手にタイミングよく渡すことが役割です。
器械出し看護師は状況に応じて必要な器械を準備し、臨機応変な介助を行うことが求められます。
手術前には医師と打ち合わせを行い、必要な物品や器具・器械、手術の内容や手順など細かく確認します。
手術が始まれば、医師の手術の進行の様子を確認しながら医師が手術に集中できるように必要な器械を手渡します。
タイミングよく渡すことでスムーズに進行し、ひいては手術時間の短縮につながります。
手術時間が短縮することで患者様への侵襲の軽減につながります。
手術室では新しく配属になった看護師には“器械出し”から指導することが多いです。
当院でも同様に“器械出し”から始め、器械出しが自立できた後に“外回り”を担当します。
ですから、まず手術に必要な器械の名前を覚え、手術の手順を覚え、実際に介助についてもらいます。
幸いにも当院では消化器外科・整形外科・心臓血管外科の手術だけなので器材の種類も少なく、また、外科医の数もしれています。
大きな病院だと同じ術式でも先生によって使う器材が変わったりしますが、当院ではその煩わしさはありません。
当院では、先輩ナースと一緒に器械出しを経験していきます。
まず症例を通し手順の確認。
そして、先輩ナースに見守られ実践。
そして、経験を重ね自立していきます。
そこで当院での手術室配属1年未満の2人の“器械出し看護師”に日頃の心構え等、生の声を紹介します。
Iさん:手術室未経験の私ですが、“器械出し”として器械を覚えて、医師に言われたとおりにそれを出すのではなく、手術をスムーズに進行させるために、先を読む知識と技術を身につけたいと思っています。器械出し看護師の能力を十分発揮させて、手術時間の短縮につなげられるよう今後も努力していきたいと思っています。
Kさん:解剖や術式を理解することで、手術の進行を理解し、滞りなく手術が進むように心がけています。手術は緊張する場面もありますが、医師より術野を見ながら解剖や術式について説明を聞くこともでき、より理解が深まっています。慣れない術式で戸惑うこともありますが、先輩方のフォローのもと、独り立ちを目指して頑張ります。
新しい“器械出し看護師”も増え、今まで以上にチーム一致団結し、手術室看護のレベルアップに取り組んでいこうと思います。
ファイト!!