足のむくみと心臓病

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私たち看護師は1日中立ち仕事をしていると、夕方になると足がむくんでくることがあります。
そんな時は仕事から帰って足をマッサージしたり、夜には足を座布団などで少し挙げて眠ったりします。
すると朝にはスッキリしています。
しかし、患者様の中には足がパンパンに腫れて足首が2倍くらいになっていたり、ひどい時にはそのために歩けなくなってしまったりして来院されることもあります。
そこまでむくんでしまうと、マッサージなどでは改善出来ません。

むくみの原因は、心臓病、肝臓病、腎臓病、下肢静脈瘤、運動不足、冷えなどたくさんあります。
一過性のもので、マッサージなどですぐに良くなる場合は良いですが、重大な病気が隠れていることもありますので、むくみが続いたり、ひどくなったりする場合には早めの受診をお願いします。
むくみは体の組織液(血液、リンパ液)の循環が悪くなり、足に溜まってしまうことからおこります。
簡単に言うと体の水分が心臓に還らず、足に溜まった状態といえます。
立ち仕事や運動不足、筋力の低下などで血液やリンパ液の流れが悪くなり、足に水分が溜まりやすくなるのです。

当院では循環器内科や心臓血管外科があるので、心臓が悪くて足がむくんでしまう患者様が多く来院されます。
心臓はポンプの役割を果たしていて、全身に血液を循環させています。
心臓の働きが弱まるとまず肺に水があふれてきます。
血液の流れも悪くなり、水分が足の方に溜まりやすくなります。
急速に症状が進むと息苦しくなり受診をされると思いますが、症状がゆっくり進み、我慢強い患者様は「なんだか1か月くらい体がしんどい。」「足が重くて歩くのがつらい」と言って受診され、足を見てみるとパンパンにむくんでいる、といった状態になっています。

家族様も高齢な我慢強い患者様の「大丈夫」の言葉に安心され、受診が遅くなってしまったというケースも数例ありました。
すぐに入院と治療が開始されるケースも少なくありません。
高齢な患者様や基礎疾患のある方は早めの受診を心がけましょう。