実は紹介状ってとても大切なんです!~よりよい医療を受けていただくために~

3月に入ったとはいえまだまだ肌寒い日もありますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今回は日頃診察室で診察介助に携わっている外来クラークの私から、皆さんが医療機関を受診する時に是非意識してもらいたい「紹介状」についてお話しさせて頂きたいと思います。
紹介状とは、医師が他の医師や医療機関に対して患者さんを紹介する際に発行する書類のことです。
そこでまず、紹介状にはどんな事が書かれているの?気になりますよね?
大まかには以下のような内容になっています。

・患者さんの基本情報(氏名や生年月日、お住まいや連絡先、等)
・紹介の目的やこれまでの治療経過や検査結果
・現在の病状や治療について
・投薬の内容
・その他、入院歴、アレルギーの有無などetc.

一般的に紹介状といわれているものは、保険請求上では「診療情報提供書」と呼ばれます(以下、「紹介状」で統一)その名称通り“診療の情報を提供する文書”であり、これまでかかりつけ医でどんな検査や治療をし、どんな薬を処方されているのか等が記載されています。
では、紹介状を発行するのはどんな時かというと、大きく分けて二通りあります。一つは患者さんが依頼した時、もう一つはかかりつけ医が他の病院での診療が必要と判断した場合です。

患者さんが医療機関を受診される時は、定期的な受診もあれば、風邪を引いて臨時で受診されたりと、理由は様々です。そんな様々なケースの中で、是非「紹介状」を持参して受診して頂きたいケースがあります。
例えば、かかりつけ医が遠方で通院が困難になってきた時や転居などで自宅に近い医療機関に転院したいとき等です。特に慢性疾患で通院や手術歴があるなど経過の長い治療や特別な治療をされている場合ほど紹介状の持つ意味は大きくなります。患者さんご自身がよりよい医療を受けられる事に繋がりますので、多少の手間と費用を要しても準備をして頂く方が望ましいと言えるでしょう。

紹介状のある時、無い時をわかりやすくまとめると、
*紹介状がある時(^.^)
・医師が患者さんの病状を迅速に把握できる。
・重複して必要のない検査を受けなくてもいいので医療費が抑えられる。
・「保険外併用療養費」がかからない。(注1)
*紹介状がない時(>_<)
・病状の経過がわかりにくい。
・処方されている薬がわからない。
・重複して必要のない検査を受けなくてはならない事があり、費用も時間もかかってしまう。
・[保険外併用療養費]という特別な料金がかかる場合がある。(注1)
(注1)保険外併用療養費とは・・・200床以上の医療機関を初診で受診した際に、初診料や医療費の他に各病院が定めた費用のこと

なんだかちょっと大阪名物の某CMみたいになってしまいましたが(笑)
とにかく紹介状があれば担当医師は、かかりつけ医療機関での患者さんの病状を迅速に把握することができます。そしてその上で今後どういった治療・検査が必要なのかを的確に判断することができ、より効率的で効果的な医療の提供に繋がるのです。

・・・とはいえ、ここで悩ましい問題がひとつ。
「紹介状が必要なのはよくわかっているけど、長年みてもらっている先生に病院をかわりたいから紹介状書いて欲しいなんてとても言えない」「忙しい先生の手を煩わせるのは申し訳なくて頼めない」という患者さんの声をよく耳にします。日本人の義理堅さや遠慮深さはとても美しく私も好きなところですが、紹介状に関していえば医師に遠慮はいりませんし、基本的に紹介状の作成を拒むこともありません。
また、ご家庭の色々な事情で紹介状の準備ができないこともありますし、紹介状が無いからといって受診出来ないわけではありませんので安心して下さいね。
そんな時はお薬手帳やかかりつけ医でもらった検査結果などがあればご持参下さい。特にお薬手帳は大切ですので必ずお持ちになって下さいね。

みどり病院では診察室で患者さんから直接、紹介状が欲しいと希望される場合も多いですが、当日お渡しできる時もあれば後日お渡しになることもあります。また紹介先の医療機関によっては受診予約まで必要な場合もあります。紹介元や紹介先の医療機関でそれぞれ手順が異なると思いますので、不明な点があればお問い合わせ頂くことをお勧めいたします。
まずは信頼できる地域のかかりつけ医を持つことが重要です。

“花冷え”という言葉があるようにお花見が出来る頃になっても、温かい日が続くと思えば急に肌寒くなったりと体調管理が難しく、なにかと調子を崩しやすい時期でもあります。
皆さん、どうぞお健やかにお過ごしくださいね。