今回は外来ナースである私にとって、職場の尊敬する先輩を紹介したいと思います。はっきり言って「身内の自慢」です。それでも紹介したいと思えるスタッフなんです。
皆さんの周りにもいませんか?こんな風になりたいと思える人、尊敬する人、大好きな人、目標とする人、自慢したくなる人、、、そんな人を思い浮かべてみてください!!
みどり病院外来には看護助手として働くYさんがいらっしゃいます。
Yさんは外来に唯一在籍している看護助手さんの事ですが、私はその看護助手Yさんにいつも助けられているなと日々思います。Yさんはいつも患者さん、スタッフのために働いています。Yさんはみどり病院に勤めてもう20年以上で病棟経験を経て今は外来部署で働かれています。先にも書きましたが外来には看護助手さんはたった一人しかいません。それだけに仕事量は盛りだくさんです。そこで外来看護助手さんの仕事内容を御紹介したいと思います。
まずYさんは外来診察がスムーズに開始できるよう早くから入念な準備をされています。
出勤されてからの業務:
- 内視鏡室の洗浄機の電源ON、加温チェック、消毒液の交換
- 環境整備 器材洗浄、物品・定数チェック
- 各診察室のゴミ箱チェック
- 朝の申し送りに参加
- 洗濯物回収(レントゲン・検査・外来)し洗濯、その後合い間みながら洗濯物を干す。乾いた物をたたみ、各部署へ
- 中材(中央材料室)へ洗浄済の器材を持って行き交換、その時その日ある胃ろう交換や貯血のセットを外来へ持って降りる
- 総務へ行き伝達事項の配布物を受け取る。
9時より内視鏡担当の場合:
・カメラ件数分の必要物品の準備
・検査開始されると患者さんへ介助につく。検査後の器材・内視鏡洗浄など
外来診察が始まりフリー業務担当の場合:
・患者さんの検査などの誘導、案内
・採血のスピッツ、点滴の準備。採血後はスピッツを検査室へ運搬
・診察後のカルテを医事課に運搬
・ベット周りの除菌、整頓
・健診の身長、体重測定、腹囲などの計測
午前中だけでこれだけの業務になります。
午後からの業務:
①器材洗浄
②診察室(1~5診)の感染性廃棄物のごみ回収
③午後診察の手伝い→フリー業務内容とほぼ同じ
④SPD請求、受け取り
⑤中材へ器材定数チェック後交換
週間業務:
毎火曜・金曜:医師の白衣がクリーニングから返ってきてからのを受け取り、収納
毎水曜:シーツ交換(処置室・救急外来・当直・看護師・レントゲン)総務へ消耗品請求
毎木曜:総務から消耗品受け取り・中材へ消耗品請求後受け取り
色々あげましたが助手業務は多岐に渡り、これはまだ一部にしかすぎません。
Yさんの業務を聞いていると、朝の業務は特に時間がない中で動いているため、一つの業務をしながら同時進行で違う業務をしたり待ち時間の合間を見つけて違う業務をしていて効率化していると感じました。たくさんの業務を1人で行われるというだけでも尊敬されることですが、Yさんの素晴らしさはそれだけでないんです。
そこで当院のスタッフ(医師、看護師)にYさんの印象を聞いてみました。
A;とにかく腰が低く低姿勢。そして謙虚なんです。私たち看護師が困っているとすぐにそばに来て対応してくれるんです。
B;仕事のスピードが速い。一歩先の事を考えて仕事していると思う。私たちが言う前にやってくれる、かゆい所に手が届くというのか、、、そんな感じです。
C;仕事に対してとても真面目です。万が一鑷子の定数が合わない時は、その日出勤しているスタッフ1人1人にYさん自身がきちんと聞いて回り、数が合うまで人任せにすることなく追求されます。そういった姿に責任感の強さを感じます。
D;確認作業がしっかりされているため信頼感がある。
E;尊敬しかない。それしかない。仕事にしても生き方にしても人生の先輩としても尊敬している。真摯に働いている姿は、心から「患者の為、スタッフの為に」という無意識レベルではないかとすらと思う。もうほんと、その姿が眩しすぎる。そんなYさんをみていると(自分の仕事で精一杯の)自分は小さいんだなと思う。自分も自然に他人のために動けるYさんのようになりたいと思う。
F;普通ならついつい後回しにしてしまうことをすぐに行動に移す。ホント見習いたい。
チームメンバーのコメントを通じて、私も改めて「Yさんは本当に患者さんやスタッフの事を思って真摯に働いているため、よく気がつきすぐに行動に出ているんだな」と感じました。また、今回Yさんにこの記事を書くに当たりホームページにYさんの事を掲載してもいいかどうか尋ねてみた所、『私の仕事なんてホント雑務にすぎひんよ。看護師さんの仕事の方がもっとすごいと思う』と言われました。ここでもYさんの謙虚な人柄が表れていますよね。私はここでもハッとさせられどうしてこんな謙虚な発言が出るのかなと考えていました。
Yさんは、私たちの見えないところでひたむきに患者さんやスタッフのことを思って支えてくれています。まさに縁の下の力持ち。本当に頼れる存在です。そんなYさんと関わっていると、私たちがもし何か問題に直面した時などふとYさんならどんな行動をするのか自然とそう考えるようになっていました。
現代の医療では、いくら優れた専門医がいたとしても医師一人だけで「患者さんにとって最善の治療」が完結するわけではありません。医師、看護師はもちろん、技師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、事務職、そして看護助手といった多職種全員が、お互いのことを思って連携することで初めて「患者さんにとっての最善の治療」が実現するのではないかと考えます。
私は日々のYさんとの関わりから、私もYさんのように気遣いや心配りが自然とできる人でありたいと思うようになり、また職種を越えて医療人として「誰かのために」という最も大切なことを改めて考えさせられました。この気持ちを忘れずに外来スタッフ全員で日々の医療に全力を尽くしたいと思います。
以上、職場の尊敬する先輩、Yさんの紹介でした。
皆さんの周りにも紹介したくなる方、おられましたか?