会えることの大切さを再確認~外来看護師としてのジレンマ~

皆さんこんにちは。
私は外来で看護師をしているTです。
日頃は診察や処置の介助、救急車で来た方や発熱の患者様の対応、検査介助などをしています。

皆さんに問います。
皆さんは、日頃からご家族との時間を大切にしていらっしゃいますか?

こんな質問をするのには理由があります。
定期通院し、処方された薬を約束通り服用されている患者様のなかにも、体調を崩され入院の経過をたどる方がいらっしゃいます。
このご時世、入院された患者様にはご家族も含め、原則面会は禁止となることをご存じの方も多いのではないでしょうか。

理由は、入院中の患者様にコロナウィルスなどを感染させないためです。面会される方がコロナウィルスに感染していますと、入院中の患者様にうつす危険性があります。入院中の患者様は、体調が万全ではありませんし、基礎疾患によっては重症化する可能性もあります。みどり病院には透析や膠原病治療のために入院される患者様も大勢います。面会制限だけではなく、さらに感染リスクを下げるために、今から入院される患者様にはPCR検査を当日・もしくは事前に受けていただき陰性(感染していない)を証明してから入院していただいています。無事陰性を確認し、患者様は入院病棟へ入られますが、ご家族とはしばしの別れとなります。

ここで、治療が終わりすぐにご自宅へ退院できる患者様にはさほど問題ではありません。
この入院が生死の分かれ目になる患者様やご家族と離れることで様々な影響が出る患者様のご入院の際、「(どこの病院とも同じようですが)、入院後は原則面会ができません」と説明することに看護師としてジレンマを感じるのです。

看護師といえど、ご家族に勝る愛情をもって接することはほぼ不可能です。まして大勢の体調不良の患者様がいらっしゃいますので、手厚い看護といえども限度があります。
余命いくばくもなく、生死をさまようことが予測される場合でも面会人数も面会時間も最小に制限し、ご家族全員で見守ることさえさせてあげることができません。
こんなに心苦しいことはありません。

どれほどそばにいてやりたくても、どれほど背中をさすってやりたくても、どれほど感謝の言葉を伝えたくてもかなわないことが現実問題起きているのです。もしも、日ごろから少しでも叶えられていたなら、後悔は軽減されるのではないでしょうか。

私は看護師ですので、入院患者様全員を守る義務があります。感情に左右されることなく、無慈悲にも見えるかもしれませんが、今後も世情が許すまで面会禁止を説明することでしょう。それは入院患者様の命を守るためなのです。

もう一度問います。
皆さんは日頃からご家族との時間を大切にしていらっしゃいますか?

どうぞ悔いのないように日頃からたくさん接して、感謝を伝えてください。
また明日ではなく、今から。