検査を受けられる患者様に「寄り添います」宣言!~知らない不安感が、ホッとする安心感に~

立秋を過ぎてもなお暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
みどり病院の外来看護師として勤務して15年目に突入しました。
外来スタッフは看護師、看護助手、クラークがおり、子育て中のスタッフが多い中、お互いに理解し合い、仕事と家庭の両立ができるようにチームワークを育んでいます。

みどり病院の外来には内科(循環器・消化器・呼吸器・膠原病・糖尿病)や外科(心臓血管、消化器、整形)などの様々な患者様が来院されます。患者様が来院されたら、患者様がスムーズに診察を受けられるように受診に至った「目的」や「主たる訴え」を看護師が確認していきます。

一般的な治療は、病院での外来診療から始まります。外来診療の目的は、病気やケガを診断して治療を行うことです。患者様から症状を聞いただけで診断が確定しない場合、一般的な血液検査やレントゲン、CT、MRIなど画像検査を行います。他にも外来で行う画像検査は超音波検査や内視鏡検査、冠動脈(心臓)CTなどがあります。

■CT検査

  • 単純CT
  • 造影CT
  • 冠動脈(心臓)CT

■MRI検査

  • 単純MRI
  • 造影MRI

■生理機能検査

  • 超音波検査(エコー)
    腹部・心臓・頸動脈・下肢
  • 心電図
    12誘導心電図・運動心電図・ホルター心電図
  • 呼吸機能検査

■内視鏡検査

  • 上部消化管内視鏡検査
  • 下部(大腸)内視鏡検査

このような検査は、病気の診断や治療方針の選択、治療効果の判定のために検査は必要不可欠な情報となります。診察の時に医師より検査や治療の必要性について十分な説明を行い、患者様自身が同意されると検査をすすめていきますが、各種検査に関しての補足説明や注意事項を伝えるのは私たち看護師の役割です。

医師から検査の目的や方法について説明を受けても、多くの患者様は検査に対して不安を抱いてしまいます。不安は患者様それぞれ異なり、苦痛を伴うかもしれないという不安や検査結果が悪かったらどうしようかという不安、検査費用はどのくらいなのかという不安などあると思います。

そんな患者様の検査に対する不安を払拭し、安心・安全、そしてスムーズに検査や治療を実施できるように私たちは患者様一人ひとりに「寄り添う」ことを常に意識して検査説明に取り組んでいます。

検査の目的や流れなどの説明は、患者様の年齢や理解度に合わせて声のテンポやトーン・顔の表情・身振り手振りを加えています。その際も患者様の目を見ながら反応に注視し、話を展開するなど安心できる環境を作ることを心がけています。

患者様に向けた検査説明の心得

◆心得 その① 検査の目的を明確に伝える!

患者様に適切なケアを提供するためにはただ検査の案内をするのではなく、病名や経過を知り、何を目的に検査を行うかを理解しておくことが重要になります。なぜ検査を行うのか、その検査によってそのようなことが分かるのかを患者様が理解できるように説明していきます。

■スクリーニング検査
患者様の健康状態を把握するための基本的な検査。
一般的に行われている人間ドックや手術前の検査もこれに該当します。

■確定診断・重症度判定のための検査
スクリーニング検査によって異常が認められた患者様に対して行う検査。
確定診断とともにその検査結果によって治療方針が決定されることになります。

■治療効果の判定・経過観察のための検査
治療効果を評価することを目的としたフォローアップの検査。
個人差なども考慮しながら定期的に行われます。

◆心得 その② 検査内容の説明については分かりやすく!

検査名はそのまま伝えるのではなく、患者様が検査をイメージしやすい表現で伝えるようにしています。
例えば・・・『上部内視鏡検査』であれば、「胃カメラを使って食道から胃・十二指腸の中の状態を詳しく調べる検査です。」と患者様に馴染みのある言葉で説明するとより理解しやすくなりますよね。

◆心得 その③ 検査の流れについては具体的に!

患者様がどのような方法で検査を受けられるのか?全体像をイメージしやすいように具体的に説明していきます。特に造影剤を用いたCT検査や血管造影検査、内視鏡検査は患者様にとってイメージがしにくいものです。

私たち医療従事者はよく知っている検査であっても、患者様にとっては初めて受けられることが多いので、検査の流れや検査にかかる時間、痛みや苦痛の有無、対処方法など丁寧な説明を心がけています。

◆心得 その④ 検査にかかわる注意事項はより詳しく!

検査によっては食事・飲水制限や内服薬の休薬、前投薬などの前処置を必要とするものがあります。これらの前処置に関しては、守られていなければ検査を実施することができなかったり、得られた検査結果が正確でなかったりするため、確実に理解と実行してもらうことが重要となります。

特に前準備が必要な大腸の内視鏡検査では、下剤を服用して大腸内をきれいにする必要があるため、食事内容の制限や前処置の下剤について説明します。前処置が不十分の場合は、大腸内に便のカスが残るため小さな病変(ポリープやがん)を見逃す可能性が出てきます。

患者様にとってハードルの高い大腸内視鏡検査が予定通り実施できるように、患者様の排便状況を確認して下剤を選択したり、服用方法を説明したりしていきます。
*(以前のブログ記事)“もし、あなたが大腸内視鏡検査をすすめられたら どうしますか? ~あなたのその不安、私が解決します!~”に大腸内視鏡検査について確認できますのでよろしければ閲覧下さい!

他にも患者様のカルテやお薬手帳で患者様の服薬状況を確認し、休薬が必要な薬を服用されている場合は、薬名や休薬期間について分かりやすく説明しますので、ご安心下さい。

検査によっては、使用する薬の副作用や合併症の出現、検査や治療に伴う偶発症が発生することがあります。事前に予測される合併症などについてはしっかりと説明を行い、同意をいただけた方に検査を行っています。

このように私たちは患者様に寄り添いながらさまざまな検査の説明を行っています。
最近は看護師の代わりに外来クラークも説明を行っています。

外来クラークの業務は多岐にわたりますが、外来診療をする医師のサポートや医師・看護師と連携を行い、外来業務をスムーズに進めてくれる重要な存在です。みどり病院では、検査説明の研修を受けた6人のクラークが看護師のサポートのために大活躍してくれています。

また、専門知識を身につけて患者様へ検査説明ができるようにと自主的に内視鏡検査や心臓カテーテル検査の見学をするなど向上心が高く、そんな姿に看護師である私たちがよい刺激を受けています。

私たちは日進月歩の医療の中、やりがいをもって仕事することが結果として患者様へ良い医療を提供できると信じてスタッフ一同、これからも自己研鑽に努めて参りますので、検査について疑問や不安などありましたら、どうぞお気軽にお尋ね下さい。

まだまだ残暑が続く日があり夏の疲れが出やすい頃ですが、健康にはくれぐれもお気をつけ下さい。