栄養士になってからの職業病~食中毒編~

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職業病かもしれません。食事のときに食中毒菌が気になります。

食事を提供しているので、食中毒は大敵です。
この時期は湿度、温度が食中毒菌にとって最適な時期になるため、要注意期間です。
栄養士になってから食事をするとき、
「これはカンピロバクターがついてるかな。」「箸煮沸。肉用トングトング!!」
「おいしそう!!!!・・・・しかし、サルモネラ菌がついているかも。」「加熱加熱!」
「なっ!その調理の仕方・・・黄色ブドウ球菌が増殖するかも。」「手袋しなきゃ・・・」
こんなことを考えながら食べることがあります。
もちろん、しゃぶしゃぶ、焼肉に行ったときは「割り箸もらえますか?」と肉を触る用の箸を確保します。
よ~く焼くまで待っているといつの間にか、肉が真っ黒になっていることもあります。
暖かくなり、食事内容も変わってくる時期だと思います。
これからの時期に増える食中毒原因菌の特徴をみて行きましょう。

食中毒に注意!

まずは食中毒にならないようにするには「温度」「水分」「栄養」の管理が大切です。
細菌は10~65度の間、特に体温付近で活発に活動します。
できるだけその温度帯を避けて保存しましょう!

肉はよく焼く!!

そのハンバーグ中は赤くないですか?
ハンバーグ(ひき肉)、食肉製品には腸管出血性大腸菌が潜んでいるかもしれません。
症状が出るまでに2~7日かかります。
その症状は激烈な腹痛で始まり、水溶性下痢を起こします。
その後、血性下痢が見られます。

どうしたらいいの?
至適発育温度は、35~38℃です。
食べる前は常温放置ぜす、冷蔵状態にしておく。
食べるときはこの菌は熱に弱いので、食品の中心温度が75℃で1分以上保つように加熱する。

その肉よく加熱されていますか?
食肉、特に豚肉、鶏肉及び卵はサルモネラが潜んでいるかもしれません。
至適発育温度は30~40℃です。
症状が出るまでに8~48時間くらいかかります。
まず吐き気と嘔吐で始まります。
数時間後腹痛と下痢がおこり、38℃以上の高熱が見られることがあります。

対策は?
至適温度は30~40℃です。
食べる前は常温放置せず、冷蔵状態にしておく。
食べるときはこの菌は熱に弱いので、通常の加熱調理で死滅します。
特に卵の調理では十分に加熱しましょう。

そのおにぎり素手で握ってませんか?
米飯(特におにぎり)、チャーハンなどには黄色ブドウ球菌が潜んでいるかもしれません。
黄色ブドウ球菌は人や動物の化膿症を起こす原因菌で、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生して食中毒を起こす毒素型食中毒菌です。
この菌は人の化膿巣や鼻咽喉、皮膚、毛髪などに常在しており、健康な人でも20~50%は保菌しています。
至適発育温度は32~37℃ですが、少し低い温度の28~30℃でもエンテロトキシンは数時間で産生されます。
この菌自体は熱に弱いので加熱調理を十分すれば死滅しますが、毒素は熱に強く100℃では破壊されません。
つまり、食品の中で黄色ブドウ球菌を増殖させないように。
黄色ブドウ球菌は10℃以下ではエンテロトキシンを産生しないので、菌を付着させないこと、低温に保存することを心がけましょう。
症状が出るのは極めて早いです。
食品を摂取してから1~6時間で発症します。
症状は吐き気、嘔吐が必ず起こり 、下痢、腹痛を伴うことがあります。
おにぎりを作るときは素手で作らず、ラップや袋を使いましょう!!!
また、ごはんが硬くなるからと言って室温においておかないで冷蔵保存をオススメします。

食中毒予防の3原則!!

細菌をつけない(清潔、洗浄)
食中毒を起こす細菌は、魚や肉、野菜などの食材についていることがあります。
この食中毒菌が手指や調理器具などを介して他の食品を汚染し、食中毒の原因となることがあります。

細菌を増やさない(迅速、冷却)
食品についた菌は、時間の経過とともに増えるので、調理は迅速にし、調理後は早く食べることが大切です。
また、細菌は通常、10℃以下では増えにくくなるので、食品を扱うときには室温に長時間放置せず、冷蔵庫に保管する必要があります。

細菌をやっつける(加熱、殺菌)
一般的に、食中毒を起こす細菌は熱に弱く、食品に細菌がついていても加熱すれば死んでしまいます。
また、調理器具は洗浄した後、熱湯や塩素剤などで消毒することが大切です。

食中毒菌に負けるな!

食中毒菌も栄養を取って必死に生きています。
特にこれからの時期は活動しやすい時期です。
偶然にも体内に入り悪さをしてしまうと、人間もビックリするような症状がでます。
食中毒菌に遭遇しないように食中毒予防3原則を頭の片隅において、安全で、楽しいお食事をしましょう。
食中毒に関しての詳しい内容です↓↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/