あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
本年は「戌年」ですね。
どのような年になるのでしょうか?
皆様にとっていい年になりますように!
さて、この度、栄養指導をしているときに鉄を取るには「ひじき」がいいよね~。という話題になったので食品の鉄の含有量についてお話ししたいと思います。
日本食品標準成分表が5年ぶりに改訂され、現在は2015年版の食品成分表です。
そこで、大きな変更として話題になったのが、鉄分の王様とも言われていたひじきの鉄分量です。
100gあたり55mgあった鉄分が6.2mgと、9分の1になりました。
これは、ひじきの製造に使われる釜の主流が、鉄からステンレスに変わったかららしいです。
つまり、現在、売られているひじきには「鉄」が多いものが珍しいのです。
ちなみに切り干し大根も、ステンレス製包丁の普及を受け、鉄分が9.7mgから3.1mgに減っています。
製法によりこんなにも影響を受けるのですね。
ここで、「鉄」が足りなくて起こる貧血について簡単にお話ししたいと思います。
鉄不足が原因で起こる貧血を鉄欠乏性貧血といいます。
赤血球は酸素を運ぶ役割を持つ細胞で、細胞の中にヘモグロビンが存在します。
ヘモグロビンは、酸素とくっつき、体内へ酸素を運びます。
このヘモグロビンを作るには、鉄が不可欠です。
鉄欠乏性貧血では、鉄分の不足によって、ヘモグロビンが作られなくなり、貧血が起こります。
鉄欠乏性貧血になる原因として、
・胃や十二指腸の潰瘍・炎症・痔・癌などによる消化管からの出血
月経による出血(出血=ヘモグロビンとして鉄が失われます)
・偏食による食事からの鉄分の摂取不足
・胃切除などによる吸収障害
・からだの成長や妊娠に伴う鉄需要量の増大
などがあります。
症状は
・突然立ちくらみが起こる
・すぐに疲れる
・爪が薄くなって割れやすくなる
・生理痛が酷くなる
・髪に潤いがなくなる
・顔色が悪い・クマができる
特に女性で月経がある時期は毎月、出血があるので必要な「鉄」も多くなります。
日々の食事で、鉄が不足しないように注意するには
・食事は栄養のバランスを考え、毎日3食をきちんと食べる
・鉄分を多く含む食品を十分に取る
鉄分はレバ-や赤身の肉類、あさり、かき、血合いの多い魚、大豆製品、緑黄色野菜などに多く含まれます。
・たんぱく質を十分に取る
魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などのたんぱく質を多く含む食品を食べましょう。
・鉄の吸収利用を良くする
酢、柑橘類、梅干しなど酸味のあるものを食べて胃液の分泌を良くします。
ビタミンCの多い野菜、いも、果物などと一緒に取ると吸収を促進させます。
・食事中の緑茶や紅茶、コ-ヒ-などは控える
多く含まれるタンニンが鉄と結合して鉄の吸収を悪くします。
「鉄を取るために」と1つの食材にこだわらず、色々な食材を食べるようにしましょう。
そして、鉄の多い食品だけでなく、プラスアルファの工夫もいかがでしょうか。
鉄の王様から退位した「ひじき」のお話しでした。
今年はどの通説に変化が起きるのでしょうか!!!
楽しみです。