『食事のご相談』~脳梗塞後の食事相談の一例~

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鏡開きも終わり、正月ボケも徐々に解消され、さあさあこれから2016年の始まりです。
臓器のターンオーバーは早いもので1週間、ゆっくりとしたもので数ヶ月といわれています。食べたものが材料となり、数ヵ月後の体を作っています。

1週間前は三が日が明けた頃、1ヶ月前は12月中旬 皆様はどのような食生活をされていましたか?
今回は『お食事の相談について』お話します。

日々の食生活の中で少しずつズレが出てきてしまい、検査値が黄色信号、赤信号になった方に向けて、ご自身に合った食事はどのようなものかを食事の相談させて頂いています。
手順は診察を受けて頂き、医師からの栄養指導の指示が出て相談の開始です。
予約制で30分程度です。
1回で完結することもありますし、数回に分けてお話することもあります。
糖尿病などの生活習慣病があり、食事療養が必要になった方に向けてお話することが多いです。
血糖値が高いといわれたがどのような食事がいいか、血圧が高めだが健康食品は効果があるのかなど食事の疑問を解決します。

次に多い相談内容は飲み込みが悪くなった場合の食事相談です。
ここで、印象に残っている相談内容をお話します。

その患者様は、脳梗塞を発症したため、飲み込みの機能が落ちて、食事がうまく飲み込めなくなっていました。
飲み込めないため、主な栄養を点滴で補いながら、ゼリー1カップから食事を始めました。
少しずつ状態を見ながら食事量を増やしていき、点滴がなくても口から必要な栄養が取れるようになり、自宅に帰れる状態までになりました。
しかし、自宅でも飲み込みやすい食事が必要でした。
そこで、継続的に食事療養ができるように奥様に食事の相談をすることになりました。
相談内容は飲み込みやすい食事についてです。

調理した食事をミキサーにかけて、ゼリー状に固めます。
① 食事をミキサーにかける。
② 飲み込みに最適なゼリー状の硬さに固める。

奥の方にしまい込んでいたミキサーを久しぶりに出して頂き食事をミキサーするところから始まりました。
一番の難関はいろいろな食材を均一に、飲み込みやすい一定の固さに固めることでした。
ゼラチンでもなく、寒天でもない凝固剤を説明して、使い方になれて頂きました。
それから毎日、奥様が自宅でおかずをミキサーにして、ゼリー状に固め、病院に持ってきて頂き、食事のバランスは取れているか、飲み込みやすい形状をしているかなど、繰り返し確認しました。
そのようなやり取りが2週間続き、無事自宅へ退院されました。
数ヵ月後、また入院する機会がありましたが、退院後も継続して作って頂いており、栄養状態は保たれていました。
このご夫婦を拝見していると奥様の熱意のこもったお食事を取ることで旦那様は生きているのだと思わされました。

食生活の違いなどでこれから春くらいまで、検査値が悪くなる時期です。
血糖値が高くなってきた、コレステロールが高くなってきた、食事がむせて食べられないなど、もし食事内容でお困りのことがございましたら診察時にお声かけください。