栄養指導中に患者さんから聞かれること


栄養指導を行う際に患者さんからいろいろな質問を受けます。
患者さんによく聞かれることについて書いてみました。
私の個人的な感覚ではよく聞かれる質問ランキングNo.3は「コーヒーは飲んでもいいですか?」No.2は「野菜のかわりに青汁・野菜ジュースを飲んでいますがいいですか?」そして一番聞かれることは・・・

No.1 オリーブオイルって体にいいんですよね?
テレビや雑誌などメディアでは、「○○油が体にいい!」と話題になっています。
アマニ油・ココナッツオイル・えごま油などなど・・・いろいろな油が登場していますが、患者さんからは「オリーブオイルがいいと聞いて使っているんですが、使っていいですか?」という質問をよく受けます。
はたしてオリーブオイルの何が他の油と違うのでしょうか?

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

食品に含まれる脂肪には脂肪酸といわれる成分が多く含まれます。
この脂肪酸の種類が油を選ぶときに気にしたいことのひとつです。
脂肪酸には大きく分けて飽和脂肪酸(動物性の食品に多く含まれる)と不飽和脂肪酸(植物や魚の油に多く含まれる)の二つがあります。
飽和脂肪酸は体内で中性脂肪や悪玉コレステロールを増やすといわれています。
一方不飽和脂肪酸は中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
オリーブオイルにはオレイン酸という不飽和脂肪酸が含まれているので、バターやラードなどの飽和脂肪酸を多く含む油の代わりに使うとよいといわれているのです。

「炒めるときはオリーブオイルを使います」という患者さん、「サラダ油の代わりにオリーブオイルを使います」という患者さんがたくさんいます。
どちらも植物の油なのに何が違うのでしょうか。
先ほど説明した不飽脂肪酸和(植物や魚の油)の中にもいろいろな種類があります。
植物の油の中にはリノール酸という不飽和脂肪酸が多く含まれているのですが、リノール酸は悪玉コレステロールも善玉コレステロールも減らしてしまいます。
しかし、オレイン酸は悪玉だけを減らしてくれるので、他の油よりもオレイン酸の多いオリーブオイルがお勧めされるわけです。

「オリーブオイルを使ってもいいですよ。ただし量に注意してくださいね」とお話します。
流行のスーパーフードやさまざまな種類の油など、いろいろなものをお使いの患者さんがいらっしゃいます。
しかし、どんな食品も大量に使ったり、偏った食生活になってしまっては逆効果かもしれません。
オリーブオイルも油であることにかわりはありません。
油には1gあたり9kcalのエネルギーがあり、高カロリーなため一日の油の使用量は大匙1杯弱程度にするのがよいといわれています。(もちろん個人や病態によって違ってきますが)
「バターやラードの代わりに使う」「1日に使う量を決めておいて、多量に使わない」などのルールを決めて使用してください。
基本的な栄養バランスを崩さないように、上手にオリーブオイルを使ってほしいと思います。