皆さんは、毎日の食事に気を使っていますか?
2019年4月にイギリスの「ランセット」という医学雑誌に掲載された論文の中で、興味を引くものがありました。
それは、【健康への食事リスクの影響】というテーマで、
簡単に言うと、「食事と病気はどれくらい関係しているのかな?」という研究の結果です。
Health effects of dietary risks in 195 countries,1990-2017: a systematic analysis for the Global
Burden of Disease Study2017
THE LANCET May 11,2019 Volume 393,Number10184,p1911-2008
「え?そんなの調べてわかるものなの?」と驚きました!
この研究は1990年から2017年の期間を対象に、疾患固有の人口に起因する割合、死亡率、障害調整生命数、食事の危険因子、摂取量等、様々なデータを基に集計し分析したところ、2017年、世界中で食事リスクが高くて亡くなった人は1100万人。その主な原因は心血管疾患、続けて、がん、2型糖尿病が多かったと発表されました。
つまり、2017年に死亡した約5人に1人は食事がリスク要因で亡くなった可能性があったということでした。
ここでいう食事リスクというのは、「塩分の過剰摂取」・「全粒穀物の低摂取」・「果物の低摂取」「トランス脂肪酸の過剰摂取」等を指し、世界中で多くの国と人の主要な食事リスク因子だったと報告されています。
また、調査では、一般的に害だ!病気になるよ!と言われているタバコよりも、食事の方が健康への影響としては大きいとありました。
こういう風に食事が原因で亡くなっている人が「1100万人も!!!」(゚Д゚;)と聞くと、朝食を食べずに、昼に起きてジャンクフードっていうグーたらした日もありますが、ちょっと意識し直そうっと思います。
また別の医学雑誌に掲載された論文では、「ソフトドリンクを毎日飲むと死亡率があがる?」というものでした。
Association Between Soft Drink Consumption and Mortality in 10 European Countries
JAMAInternMed.2019;179(11):1479-1490.
ソフトドリンクは、加糖飲料・人工甘味料を使った飲料・炭酸飲料・スポーツドリンク・果汁シロップを希釈した飲料を指しており、
それをどれくらい習慣的に飲むかを調べるために、①月に1杯(250ml)未満 ②月に1~4杯 ③週に1~6杯 ④1日2杯未満 ⑤1日2杯以上 の5つのグループに分けて集計・分析されています。
その結果、①月に1杯未満のグループと⑤一日に2杯以上のグループでは、パーキンソン病、消化器疾患、大腸癌に罹患するリスクが高くなるという結果でした。
また、リスクが高くなる飲料の摂取量は、1日当たり人工甘味料含有飲料が125ml以上、加糖飲料が225ml以上ということも考察されています。
これは、一日に缶ジュースやグラスに注がれているジュースの半分も飲むと、不健康のリスクになっているということなのです (;´Д`)全然飲まれへんやん!!
以上の事も踏まえ、加糖飲料、人工甘味料添加飲料の常飲は死亡率の上昇と関係が認められたと発表されています。
人工甘味料といえば、砂糖の代替の甘味料として使用されています。
0キロカロリーなので太らない、糖尿病の方だと、血糖値を気にしているので飲み物に入れて飲むなど、便利に使える食品の1つで、臨床試験においても直接の血糖値の作用は認められていないと言われています。
しかし、人工甘味料は腸内細菌叢、味覚、肥満のバランスを崩すという研究もあり、
糖尿病のリスクになっているのではないかとも言われています。
人工甘味料の人体への影響については、世界的にもまだまだ、色々な研究をしているようです。
今回は、色々な研究によって発表された食事に関わるデータを紹介しました。
健康には良くないとわかっていても、今の私達の生活から切り離すことは、なかなか難しいですよね。
でも、自分の健康のため。そして、家族のためと思って、食事に気をつけ、ジャンクフードも、食べる頻度をよく考えるなど、今回の記事を少し頭の片隅において、毎日の食事を見直すきっかけになってくれれば嬉しいです。