実習を終えたばかりの薬学部実習生さんとお話をしました!(2018年度 第2期)

当薬剤科では、臨床薬学教育にも積極的に取り組んでおり、薬学部が4年制であった頃から薬学部学生の教育実習を受け入れています。
現行のカリキュラムが開始されてからは、毎年3~4名程度の5年生(2006年度入学の学生より6年制となっています)の実習を実施しています。
今回も、2か月半の実習を終えた実習生と当院佐々山薬剤師とでゆっくりとお話をさせていただいたのでご紹介します。

佐々山薬剤師)
実習生さん、長期間の実習お疲れさまでした。今から少しだけお話を聞かせて下さい。
実習前は、病院薬剤師という仕事にはどんなイメージを持っていましたか?

実習生);薬学部5年生、女性
院内薬局内で調剤をして、それを患者さんのところへ配薬・服薬指導をするというイメージでした。

佐々山薬剤師)
そうですか、そのようなイメージ持たれている方は多いですね。
では、今回の実習でどんなことを学びたいと思っていましたか?

実習生)
患者さんのところへ行って薬の効果が現れているのかを見たり、効果が出ていない又は新たに症状が出ていることに気付きそれに対して処方提案ができるようになりたいと思っていました。
また、入院患者さんとのコミュニケーションの取り方を学びたいと思っていました。

佐々山薬剤師)
処方提案は、我々も普段からできるようにと心がけています。
『コミュニケーション』これはとても大切ですね。
いくら知識を持っていてもそれを伝えきれなかったら何にもなりませんよね。
では、今回の実習ではどんなことを学べましたか?

実習生)
注射剤や内服薬の調剤や病棟業務、患者さんとのコミュニケーションの取り方など様々なことを学ぶことができました。
コミュニケーションの取り方では、患者さん一人一人に合わせた話し方や指導を行うことができました。

佐々山薬剤師)
毎日ベッドサイドに配薬に行きましたね。最初はなかなか話をしてくれなかった患者さんも心を開いて話をしてくれるようになりました。
そこからは患者さんの情報をうまく引き出せるようになり、処方提案までできましたね。
これは、実習生さんのコミュニケーションの取り方が上手だったからだと思います。
それでは、今回の実習では、何が一番印象に残りましたか?

実習生)
チーム医療をちゃんと行っていたことです。
チーム医療とはいっても薬剤師はあまり関わっていけていないのではないかと思っていましたが、医師と処方について話し合ったり看護師と患者さんの情報を共有したりしていたのでそれが印象に残りました。

佐々山薬剤師)
そうですか、学生さんの間では病院薬剤師はチーム医療に消極的なイメージなのですね?
実際は、見ていただいたように他の医療従事者と積極的にコミュニケーションを取っています。
また、薬剤師はNST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)、ICT(Infection Control Team:感染対策チーム)、PCT(Palliative Care Team:緩和ケアチーム)等のチーム医療の中心メンバーを任されていることも多くあるんですよ。
当院の実習中に大変だったことはありますか?

実習生)
毎日配薬に行かせていただいていたのですが、患者さんの情報を見てから配薬に行き院内薬局に戻ってきてから患者さんから聞いたことや評価をSOAP形式で書くのに時間がかかってしまい、なかなか実習終了時間に終わらなかったことです。

佐々山薬剤師)
そうですか、それは申し訳なかったですね。
少しでも多くの経験をしてもらおうと、こちらも欲が出てしまい、たくさん症例を用意し過ぎましたね。
でも勉強にはなったと思いますよ。
特に、今回症例発表をした患者さんに関しては処方提案まですることができたので、この患者さんを通じて勉強したことは実習生さんが薬剤師になってからも記憶に残っていると思いますよ。
では、実際2か月半の長い実習を終えて、病院薬剤師のイメージは変わりましたか?

実習生)
変わりました。
患者さんのところへ頻繁に行ってコミュニケーションをとったり、チーム医療に関わっていたのがイメージとは違いました。
服薬指導の際も患者さんの理解度を把握して、それに合わせた指導を行っていたのでとても勉強になりました。

佐々山薬剤師)
実習を終えて良いイメージに変わったみたいですね。
よかったです。
今の医療は高度になってきているため、昔みたいに医師一人の力では処理しきれません。
ですから各専門職が協力して患者さんを治療する必要があるのです。
また、患者さんと関わって得た情報は、医療従事者間で共有することがチーム医療を行う上では一番大切です。
服薬指導に関しても、患者さんにちょっとでも理解してもらえるようにと、我々病院薬剤師は日々努力をしています。
では、今後実習をするであろう薬学生の後輩に対して一言あれば、お願いします。

実習生)
皆さんとても優しくて分からないことがあれば丁寧に教えて下さるので、どんどん質問したらいいと思います。
学びたいという気持ちがあればあっという間に2ヶ月半が過ぎると思うので頑張って下さい。

佐々山薬剤師)
最後に、当院での実習に関して何か感想などがあれば教えて下さい。

実習生)
皆さんに優しくしていただいて、とても実習のしやすい環境でした。
今回の実習を今後に活かして立派な薬剤師になれるように努力したいと思います。
2ヶ月半本当にありがとうございました。

佐々山薬剤師)
実習、お疲れ様でした。
色々と大変なこともあったかと思いますが、苦労して勉強したことは絶対に忘れないので、必ず実習生さんの財産になると思います。
それにしても、コミュニケーションに関してはとても良くできていましたね。
自信を持って良いと思いますよ。
この後すぐに調剤薬局の実習が控えていますが、今回学んだことを活かして頑張って下さいね。
まだまだ先の話ですが、卒業後、国家試験に合格して立派な薬剤師になった実習生さんとどこかで再会できるのを楽しみにしています。