あっという間の2.5ヶ月薬学生実務実習〜私たち薬剤師も学び多き実習でした〜

薬剤科

みどり病院には、毎年薬学部実習の受け入れをしており、兵庫県内の薬学部5年生が2ヶ月半ずつ病院実習に来られます。今日は、先日実習を終えた神戸学院大学薬学部5年生のお二人に、みどり病院実習を終えた感想をインタビューでお聞きしました。

Q1)実習前は、病院薬剤師という仕事にはどのようなイメージを持っていましたか?

実習生A)
入院中の患者さんの薬を調剤して配薬する仕事。
調剤薬局薬剤師と比較して患者さんのベッドサイドに行ってコミュニケーションを取れることが特徴的な仕事というイメージ。
実習生B)
実習前、病院薬剤師はあまり患者さんと関わる機会が少ないイメージを持っていました。病棟業務の具体的な内容も想像がつきにくい印象でした。

Q2)今回の実習でどのような事を学びたいと思っていましたか?

実習生A)
病院薬剤師の業務内容について詳しく学習したいと考えていました。
特に、学校で学習した医師や看護師など、他職種とのチーム医療が現場ではどのように取り入れられているか学習したいと考えていました。
実習生B)
抗がん剤調製、TDMなどといった病院でしかできないことや、チーム医療の中での病院薬剤師の役割について詳しく知りたいと思っていました。また、がんの薬物療法に興味がありましたが、薬局実習ではがん患者さんとなかなか関わる機会がなかったので病院実習で化学療法のレジメンが患者さんによってどう違うのか、またがん患者さんへの関わり方について学びたいと思っていました。

Q3)今回の実習ではどのようなことを学べましたか?

実習生A)
今回の実習では、病棟薬剤師の先生について病棟に上がらせていただき、病棟において他職種との連携や患者さんとの関わり方について見させていただきました。
医師や看護師などの他職種からの問い合わせに対応したり、逆に薬剤師側から確認の連絡をしたりなど双方向にやり取りしていることがわかりました。
また、病院では急な入院となって患者さんが落ち込んでいたり、「しんどい」と言葉をこぼされたり、薬局とは違い患者さんの精神的、身体的な不調が大きいため、個々の患者さんの状況に合わせて患者さんと向き合うことが重要であることを学びました。
実習生B)
不整脈の患者さんと多く関わらせていただき、不整脈の病態や薬物治療においての薬の使い分けについて深く学ぶことができました。学校では教わることのなかった臨床的な考え方に驚くことも多かったです。また多くの場合、入院から退院までの一期一会の関係であるからこそ入院中の指導や副作用のモニタリングが大切だと感じました。

Q4)今回の実習では、何が一番印象に残りましたか?

実習生A)
バンコマイシンのTDMを実施したことが印象に残っています。
体重や腎機能など患者さんの状況を確認し、初回投与量を算出、医師に提案したり、患者さんの状態や体温、WBC、 CRP、血中濃度を確認することで効果判定するといった薬剤師の臨床業務を体験できたことが印象的でした。
実習生B)
不整脈に対するアブレーション治療の見学をさせていただけたことです。実習前はカテーテルアブレーションとは何かも知らない状態でしたが、実際に治療を見学することで、どのような手技をしているのかのイメージがつきました。

Q5)実習中に大変だったことはありますか?

実習生A)
患者さんとお話しすることが大変でした。
カルテや持参薬を確認し、話す内容をあらかじめ考えていてもその通りいかなかったり、緊張して忘れてしまったりとなかなか会話をすることができず大変でした。
また、できるだけ簡単にわかりやすく説明しようとしたことが裏目に出ることがあり難しく感じました。
実習生B)
電子カルテから必要な患者さんの情報を得ることが大変でした。最初は慣れない作業でどの情報を取ればいいのか、どの検査値を確認すべきなのか分からず苦戦しました。また服薬指導での患者さんとのコミュニケーションが難しかったです。分かりやすくかつ丁寧に説明し、指導することがいかに大変なことかを痛感しました。

Q6)実際2か月半の長い実習を終えて、病院薬剤師のイメージは変わりましたか?

実習生A)
薬剤がメインというイメージが強かったですが、病態や非薬物治療についても十分に学習しておく必要があることが分かりました。
薬物治療に関しても添付文書やインタビューフォームだけでなくガイドラインや論文を読んで学習する必要があることが分かりました。
実習生B)
はい、変わりました。病院薬剤師は私の想像以上に他職種スタッフと密に連携していると感じました。医師に処方提案を行ったり、他職種と情報共有を行うことで患者さんと綿密に関わる場面をたくさん目にすることができました。

Q7)今後実習をする薬学生の後輩に対して一言あれば、お願いします

実習生A)
学校で学習した内容を実際に経験することができたり、逆に学校では教えてくれないことを経験できたり、たくさんのことが学べると思います。
大変だと思いますが、色々なことを学べるように頑張ってください。
実習生B)
みどり病院では薬剤師の方々にはもちろん、様々な職種の方にも教えていただける機会があるのでたくさんの知識と経験を吸収できると思います。頑張ってください!

Q8)当院での実習に関して何か感想などあれば教えて下さい。

実習生A)
11週間大変お世話になりました。
患者さんとお話しできるか、しっかり業務をできるか非常に不安に思っていました。しかし、患者さんとたくさんお話しする機会をいただき、成長することができました。
また、学校では経験できない体験をたくさんさせていただき、非常に楽しく実習することができました。今後は実習で学習したことを活かして、さらに勉学に励もうと思います。本当にありがとうございました。
実習生B)
2ヶ月半の実習期間は長いようであっという間でした。たくさんの方々にご指導いただきとても感謝しております。ありがとうございました。この実習での貴重な経験を活かし、信頼される薬剤師になりたいと思います。

<実習担当薬剤師より>
お二人とも、楽しく実り大きな実習となった様でよかったです。これからたくさん大変なこともあるかと思いますが、この実習での経験を活かして薬剤師として活躍していただければと思います。
私もたくさん一緒に学ぶことができました。ありがとうございました。