インフルエンザと風邪の違いって? 3階病棟 看護師 湯田 ~広報誌「みどりの風」Vol.28~

インフルエンザと風邪の違いって? 3階病棟 看護師 湯田

インフルエンザウイルスは、湿度が低く、乾燥している時期に活発になる特徴があるため、冬季に流行します。インフルエンザに感染すると、1~2日の潜伏期間を経て、その後高熱を伴って急激に全身症状が現れるのが特徴です。潜伏期間中、体内でのインフルエンザウイルスの数が24時間後には、100万個にまで増殖するため、この時のくしゃみや咳が、他人へ吸入されたりすることで次々に感染していきます。
そもそも、インフルエンザって風邪と何が違うのでしょうか?知っているようで知らない、インフルエンザと風邪の違いについて分かりやすく表にしてみました。

インフルエンザ風邪
発症時期例年11月~12月に流行しはじめ
1月~3月がピーク
1年を通してみられる
主な症状・38度以上の高熱(39~40℃の高熱)
・咳、喉の痛み、鼻水
・全身のだるさ、食欲不振、関節痛、筋肉痛、頭痛など全身症状が強く出る
・37~38度の微熱
・くしゃみ、喉の痛み、鼻水、鼻づまり、咳
・消化器症状
症状の進行高熱を伴って急激緩やか
完治まで1週間程度2~3日後
治療抗インフルエンザ薬対症療法
ワクチン
ウイルスインフルエンザウイルスライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど
その他肺炎や脳炎を合併して重症化する恐れがある

”最も効果的なインフルエンザの予防法” 外来看護師 松本

予防接種も大切ですが一番大切なのは“手洗い”です。風邪やインフルエンザ等の感染症の多くは手を介して体内に侵入することが多いのです。様々な場所にウイルスは付着しており、そこに触れた手で自分の眼、耳、口に触れたり、食事をする事でウイルスは体内に侵入します。「たかが手洗い、されど手洗い」手洗いは帰宅時や食事前だけでなく、様々な場所に触れた後にも可能な限り頻繁に行う事が一番の予防法と言えるのです。

”治療薬の注意点はココです!” 薬剤師 佐々山

一般的なウイルス性の風邪は対症療法ですが、インフルエンザには何種類かの抗インフルエンザ薬が処方されます。治療薬には、内服タイプ、吸入タイプ、点滴タイプがありますが、共通する注意点があります。通常は治療開始後2日位で熱は下がります。しかし、発症後5日間位はウイルスがまだ体の中に残っていて他の人にうつしてしまう恐れがあるため、解熱して楽になったとしても、処方されたお薬は自己判断で中止せず、外出も控えてください。

”インフルエンザで胸のレントゲン写真??” 放射線技師 片野

インフルエンザはウイルス感染によるもので、X線写真では感染を判断することは出来ません。また、インフルエンザの合併症の中でも多くみられる急性気管支炎も胸部X線写真には写りません。
では、なぜ胸部X線写真が必要となるのでしょうか? 気管支炎の症状がさらに重くなると肺炎になる可能性があり、気管支炎と違って肺炎は胸部X線写真に写るため、肺炎を起こしていないか判断するためにもX線写真を撮ることがあるのです。

”インフルエンザ流行期における病院からのお願い” 事務局 額田

風邪症状で受診される方、特に高熱で受診される方は、インフルエンザの可能性がありますので、感染防止のためにマスクの着用をお願いします。入院患者様のお見舞いや付き添いで来院される方も、マスクの着用と手指の消毒をお願いします。マスクは院内でも販売しておりますので、ご利用ください。
特に流行期には面会を制限させて頂く場合もございます。患者様、ならびにそのご家族の方々にはご不便をお掛けしますが、院内感染防止対策にご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。