狭心症ってどんな病気?動脈硬化とは? 循環器内科 稲波 整
寒くなってくると増える病気に狭心症や心筋梗塞といった病気があります。では一体どのような病気で、早期発見や予防のためにはどうしたらいいのでしょうか?
1)狭心症・心筋梗塞とは
心臓は全身に血液を送るポンプの仕事をしています。ポンプが動くために必要な酸素や栄養を送る血管が心臓の周りを取り囲むように走っている冠動脈という血管です。その冠動脈が動脈硬化などの原因で細くなった状態が狭心症という病気です。またその血管が急に詰まってしまった状態が心筋梗塞という病気になります。
狭心症の症状ですが坂道を歩いたり階段を上ったり心臓に負担をかけた時に胸が苦しくなったり、息切れが出現したりするのが典型的な症状です。糖尿病の患者さんは胸が苦しくなるような胸痛が出にくいことがあるので注意が必要です。
2)狭心症や心筋梗塞の予防
狭心症、心筋梗塞といった病気を起こしやすい人は生活習慣や基礎疾患として喫煙、糖尿病、高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高い状態)、高血圧症を持っ
ていることが多いです。そのため予防として禁煙や生活習慣病の管理をしっかり行うことが必要です。月並みの表現ですが、バランスのとれた食事と適度な運動を行いメタボ体型にならないようにすることが大切です。
3)狭心症や心筋梗塞の早期発見
健康診断では心電図、レントゲン検査をおこなうことが多いですが、狭心症や心筋梗塞のリスク評価や早期発見は困難です。当院では心臓CT検査で冠動脈の動脈硬化の程度を調べることができます。図1a)が正常の方の冠動脈、図1b)が動脈硬化でカルシウムが沈着し動脈硬化を認める冠動脈の心臓CTの画像です。狭心症や心筋梗塞の症状が出る前の状態でも将来のリスクに関して評価することができます。
リスクファクターが多い方や血縁者に心筋梗塞や脳卒中の既往のある方は一度検査を考えてみてもいいかもしれません。