下肢静脈瘤外来(むくみ外来)ひとりで悩んでいませんか?~広報誌「みどりの風」Vol.32~

”下肢静脈瘤外来(むくみ外来)ひとりで悩んでいませんか? 心臓血管外科 仲井 健朗


ご自分の脚(足)をご覧になって「もしかしたら静脈瘤じゃないの?」と不安に思われたことはありませんか?血管が浮き出ているなど見た目が気になっているけれど、何処に相談したらいいのかわからずそのままにしていませんか?
当院で静脈瘤外来を受診されるほとんどの患者さんは、お知り合いの方や新聞、テレビ、雑誌などから、ご自身が静脈瘤ではないか、大丈夫かな、という不安から受診されます。みなさん、血の塊(血栓)が心臓や頭に飛ぶのでは?血管の瘤になっているところが破裂しないか?? このまま放っておいたら切断しないといけなくなる???などの不安を抱えておられます。見た目が気になっておられる患者さんの中には、性別や年齢にかかわらず、脚(足)を出す機会が温泉やスポーツ以外にもたくさんあるため、周りが気になって好きなことが出来なくなってしまう方もいらっしゃいます。
当院専門外来では、相談に来られた患者さんのお話を伺い、まずは受診された「理由」を明らかにすることから始めます。そのために不安を抱えておられる患者さんには、静脈瘤についての正しい情報をご説明し不安を解消できるように努めます。その上で治療をご希望される患者さんにはご希望にそった形での治療を行います。特に専門外来に受診される際に、手術しなければいけなくなるのでは、とご心配される患者さんもいらっしゃいますが…。ご安心ください、当院では手術を希望されない患者さんに手術をお勧めすることはありません。治療を受けられる患者さんのそれぞれに治療方針は異なります。弾性ストッキング着用による圧迫療法や、レーザー治療などの手術療法はあくまでも治療の選択肢の一つでしかありません。ご自身の状態について検査をおこない静脈瘤について正しい情報を知っていただき、それで不安が解消できるのであればそれも治療の一つと考えています。

お一人で悩んでおられる方がいらっしゃいましたら是非この機会に当院専門外来にご相談をお待ちしております。

下肢静脈瘤外来(むくみ外来)のご案内

■下肢静脈瘤はどんな病気?なりやすい人は? 手術室看護師

下肢静脈瘤とは、足の血管の病気で、静脈がコブ(瘤)のように膨らんだ状態になります。急に悪化したり命の危険はありませんが、足のだるさ・むくみ・こむら返りのような症状が慢性的に起こり生活の質(QOL)を低下させます。
40歳以上の女性に多く、年齢とともに増加していきます。その他の危険因子として、遺伝、妊娠、出産、立ち仕事(調理師、美容師、販売員)などがあります。
重症化すると皮膚が破れる潰瘍ができたり、治療に時間がかかるため、早期に受診することをおすすめします。

■超音波検査と静脈瘤 臨床検査技師

超音波検査では、脚(足)の表面から、血管の走行や、静脈瘤の状態を簡単にみることができます。症状を伺い、気になる部位を見せていただいた後、技師が患者さんの脚(足)に触れながら検査をし、血液の逆流や、悪さをしている血管を見つけます。病変の同定が困難な場合は、すぐに担当医がかけつけ即診断につながることもあります。この検査が患者さんの不安解消や静脈瘤治療の手助けになればと考えています。

 

■治療費っていったいいくらかかるの? 医事課

下肢静脈瘤の手術は主に外来で行なっています。患者様の負担は入院での治療に比べて、かなり軽減されますが、それでも“手術”となると『いくらかかるんだろう?』と心配に思われる方が多いと思います。簡単ですが、手術とそれに係る検査等のおおよその費用をご案内します。
【料金の目安】保険診療(3割負担)の場合
手術費44,000円程度 + 診療費、術前エコー、血液検査、術後の投薬・検査 等 = 54,000円程度
患者様の所得や年齢によって、お支払金額が安くなる場合があります。
詳しくは会計窓口にお問い合わせください。

■下肢静脈瘤の予防には?~弾性ストッキングの適性使用を~ 病棟看護師

下肢静脈瘤の予防では、弾性ストッキングや着圧ソックスの着用が大切であるといわれています。
下肢静脈瘤があり、弾性ストッキングを着用されている患者様が入院されてくることもあります。そんなとき私たち看護師が注意してみているのは
・着用サイズが合っているか
・着用による皮膚障害がでていないか
・本当に弾性ストッキングが必要か
を観察しています。適正使用をすることが重要です。今一度チェックしてみてください。