当院での関節リウマチ治療~広報誌「みどりの風」vol.26より
膠原病には関節リウマチ、強皮症、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎、脊椎関節炎など様々な病気があります。それぞれの病気を引き起こす免疫機構の解明は急速に進歩し、それに対応する治療薬も開発されており、いまでは治療薬の選択に困るほどになってきました。それぞれの薬剤の長所と短所を知り、患者さんにあった適切な治療を行うことが可能となってきました。医療者側は抗リウマチ薬の進歩に対し十分な知見を持って、患者さんにあった治療法の選択を行うことが求められています。膠原病は関節痛から始まる場合が多いとされています。関節痛の代表的膠原病は関節リウマチです。
関節リウマチは幼児期から高齢者まですべてが罹患する病気であり、膠原病の中で最も多い病気です。100人に1人が発症し、発症すれば、多くの人が生涯に渡って関節痛に悩まされ、ついには関節が高度に破壊され、寝たきりになってしまい、 脊椎の変形から突然死が起きることもあります。
発症から2年で無治療であれば、高度関節破壊に至り、車いすの生活となってしまいます。このため、最も重要なのは、関節リウマチを早期に診断し徹底的な寛解状態に置くことです。
私共の施設では、リウマトレックスやアラバなどの免疫抑制剤で効果がなかったり、副作用のために使用できなかった場合、アクテムラを第一選択としています。アクテムラはIL-6 (インターロイキン6)という炎症性ホルモンを制御し、免疫機構の中心であるTリンパ球の制御によって、安定した免疫環境を作り出し、関節症状を劇的に和らげるものです。最大の副作用は結核を含む感染症です。十分な感染症対策を取り治療を続けることが関節破壊を防ぐ道です。関節痛で悩まれている方は受診してください。
外来担当日:月曜・木曜 9:00~12:00、火曜 14:00~15:30※予約制、
金曜 17:00~19:00、土曜 9:00~12:00隔週
※担当医の変更や休診となる場合がございますので、ご来院の際は電話にてご確認お願い致します。
みどりの風第26号(2017年5月発刊)記事より
今回よりリニューアル後の広報誌「みどりの風」をホームページ記事として紹介することとなりました。
新しい広報誌ともどもこちらの記事も楽しみにお待ちください♪ 広報担当:松尾