便秘のいろいろ 消化器外科 齋藤 正樹 ~広報誌「みどりの風」vol.27~

<気になる医療のこと>便秘のいろいろ 広報誌「みどりの風」vol.27より

便秘は原発性便秘と続発性(2次性)便秘に大別されます。続発性便秘は、①糖尿病・甲状腺機能低下症・膠原病・神経疾患など、②使用している薬剤、③大腸癌・虚血性腸炎・肛門病変、④子宮や卵巣の腫瘍、等々の病気により引き起こされます。

一方、便秘の大半を占める原発性便秘は大腸の機能障害が原因であり、生活習慣と密接に関わっています。繊維分豊富で栄養バランスのとれた規則正しい食事、適度な運動習慣、十分な睡眠が便秘の改善に重要です。

以上、便秘といってもさまざまで、原因の検索と対応を行うことが大切です。その上でお薬による調整となりますが、漫然とした下剤使用はお勧めできません。長年の便秘であっても程度がひどくなってくる場合は、前述のいろいろな病気が隠れている可能性もあるためかかりつけ医と相談して下さい。尚、急におこった便秘でお腹が張り痛くて動けないような時は、通常の便秘ではなくて腸閉塞や腹膜炎のおそれがあり救急受診が必要です。